国内広告費マイナス3.8%・6年ぶりの事態

2008年07月31日 08:00

広告イメージ日経広告研究所は7月30日までに、2008年度(2008年4月~09年3月)の日本国内の広告費が前年比で3.8%減になるとの予測を発表した。広告費が前年度を下回るのは2002年度以来6年ぶり。2月時点では「前年比1.2%増」を予想しており、それを大幅に下方修正したことになる(【発表リリース】)。今回の下方修正について日経広告研究所側では「アメリカの景気後退や原油、穀物などの原材料の高騰による交易条件の悪化で、企業業績が悪化したのが原因」と分析している。

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広告費の増減率推移(発表資料から)
広告費の増減率推移(発表資料から)

今回発表の予測における、四半期の広告費の動きは次の通り。

2008年4~6月期……4.4%減
   7~9月期……4.2%減
   10~12月期……3.6%減
2009年1~3月期……3.2%減


特に7~9月期はオリンピックの広告促進効果を織り込んでこの数字でしかない。それだけ企業業績が悪化していることの表れ。

上記グラフでは4大マスメディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)とそれ以外のメディアの広告費比較もあるが、特に4大マスメディアの広告費の下落ぶりが目立つ。グラフ上にはないが、4大メディアそれぞれの前年比広告費は次の通り。

■2008年度上期
・新聞……15.2%減
・雑誌……6.4%減
・テレビ……5.7%減
・ラジオ……0.4%減

■2008年度下期
・新聞……14.8%減
・雑誌……5.6%減
・テレビ……5.3%減
・ラジオ……0.3%増


とりわけ新聞の凋落ぶりが目に留まる。

今回発表されたデータでは、あくまでも「2008年度下期には企業業績が幾分持ち直し、予算配分に余裕が持てるようになる」という前提がある。業績状況が下期も続落するようなら、サイフのひもの締め付けも厳しいままとなり、広告費はさらに削られる可能性が高い。上記グラフなどでは一応2008年度下期には「やや」持ち直す形に見える広告費も、場合によってはさらに下落を続ける可能性もあろう。

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