最大36%・ベトナムでガソリンなど燃料価格引き上げ、インフレ加速も

2008年07月22日 06:30

ガソリンイメージ【Financial Times】が伝えるところによるとベトナム政府は7月21日、家庭用の燃料価格を最大で36%引き上げた。これは2月25日に引き上げを実施して以来今年で2度目、5か月ぶりのこととなる。ガソリン価格などが急騰する前に少しでも補給しておこうと、値上げ実施直前にはガソリンスタンド前に長蛇の列ができたとのこと。ベトナムでは2週間ほど前に、「消費者への負担のことを考えれば、今年はもう燃料価格は上げない」と宣言したばかりだった。

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しかし実際には燃料価格の実施は行われ、ガソリン価格は31%値上げされてしまった。92オクタンの一般的なガソリンは1リットルあたり1万4500ベトナムドンから1万9000ベトナムドン(1.15ドル、120円強)まで引き上げられた。同様にディーゼル燃料は14.3%、重油は36.8%値上げされた。

元々ベトナムではインフレを抑制するため、公共性の高い料金の引き上げ凍結を実施。各種燃料価格も石油輸入業者に対して国家予算から補てんをし、価格を抑えていた。しかし国債原油価格が1バレルあたり145ドル以上という高い水準を維持していたため、補てん額が拡大。このままでは今年だけで32億ドルの損失が生じてしまい、財政負担が大きすぎると判断。今回の値上げとなった。これでもまだ周辺国(スリランカやシンガポール)と比べて安い値段に抑えられいるが、庶民の動揺は大きい。

政府ではこの6月、食品価格が前年同月比で26.8%も値上げしたことをうけ、GDP成長率(予想)を8.5~9.0%から7.0%まで下方修正したばかり。今回の値上げにより、ベトナムのインフレーションがますます加速する可能性が高い・8月には30%を超えるのでは、と分析する専門家もいるほど。さらに金利も現行の14%から2%引き上げられることが予想され、結果としてGDPの成長率は7.0%からさらに6.4%まで引き下げられる可能性すら否定できない(それでも6.4%「も」あることも驚きだが)。なおベトナムでは原油の採掘、石油の国内生産がほとんどできないため、そのほとんどを輸入に頼らざるを得ない。今年半期の燃料輸入高は前年同期比で69%プラスの59億ドルに達している。

【各国の消費者物価上昇をグラフ化してみる】ではベトナムは記載されていなかったが、今記事で言及されていた「食品は26.8%」「ガソリン価格が31%」を割り振ると、相当なレベルに達していることが分かる。同国のウエイト比が高いことは容易に想像がつく。消費者の生活の大変さはタイや中国クラスではないだろうか。

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