【更新】三平建設(1908)、民事再生手続き開始申し立て・負債総額167億7400万円

2008年07月25日 06:30

株式イメージ首都圏を地盤とし、マンション建設など民間建築主体の中堅だった【三平建設(1908)】は7月24日、取締役会において民事再生手続き開始の申し立てを行うことを決議し、東京地方裁判所に申し立てを行ったと発表した。負債総額は167億7400万円([発表リリース、PDF])。なお株券上場廃止基準第4条第1項に規定する再建計画等の審査に係る申請はしないとのことなので、同社株式は上場規定にのっとり上場廃止となる。

スポンサードリンク

三平建設は1985年設立の建設事業会社で主にマンション建設に従事。経験と技術を背景に収益を拡大してきたものの、近年の公共投資の減少に伴う受注競争の激化や低価格競争の増加、さらには建設業全体を襲っている建築・不動産不況の波(とりわけ去年の建築基準法改正以降)にもまれる形で、同社が得意としていた首都圏供給の民間分譲マンションの戸数が急激に減少。業界全体の低迷に伴い、同社自身だけでなく取引先の経営も悪化し、売掛金の回収も滞りがちになる。

さらに直近では【6月30日に破産したケイ・エス・シーの6億0100万円分の手形債権(PDF)】、先日7月23日には【興大の破産による各種負債14億2600万円(PDF)】と、相次いで取引先が破産し債権回収の見通しが立たなくなった。その結果、三平建設自身も7月末の支払いのための資金繰りのめどがつかない状況と判断し、自主再建を断念。法的手続きによる再建を決断したとのこと。

同社直近3か月のチャート。ケイ・エス・シーの破綻発表後から下げ幅を拡大しているのがわかる。
同社直近3か月のチャート。ケイ・エス・シーの破綻発表後から下げ幅を拡大しているのがわかる。

7月23日付けにおける取引先の興大が破産した際にはリリースにおいて

(1)債権の種類及び金額
 工事債権等:794百万円
 手形債権:557百万円
 貸付金:75百万円
  ……合 計:1426百万円
(2)純資産に対する割合
  最近事業年度の末日(平成20年3月31日)の純資産(1778百万円)に対する割合80.2%

※当該債権のうち150百万円については担保で保全されており、557百万円については現在建設工事中で商事留置権


と表記しており、興大の破産で三平建設の経営が立ち行かなくなった状況を間接的にではあるが表していた(もちろんこれを受けて翌日、つまり24日ではストップ安の1万0610円をつけて場を終えている)。

なお同社の取引先及び上位株主には昭和地所、【サンユー建設(1841)】【ダイア建設(8858)】【不二サッシ(5940)】などの姿が見受けられる。

上場、非上場を問わず、体力の無い不動産・建設業のドミノ倒し的な破綻の状況が見えつつある昨今。昨日の時点ですでにほとんど「アウト」と判断しても仕方の無い状況ではあったが、今は連鎖が起きないよう祈るしかない。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ