有料サイトへの支払いは一か月1395円

2008年07月05日 12:00

支払いイメージ総務省情報通信政策研究所は7月4日までに、「メディア・ソフトの制作及び流通の実態」に関する調査研究結果(2007年度版)を発表した。それによると、パソコンや携帯電話の利用者の約半数が有料コンテンツを利用し、利用者の平均利用金額は1395円であることが明らかになった。また、パソコンでは映像系、携帯電話では音声系への支出が一番大きい傾向もみてとれる(【発表ページ】)。

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今項目の調査はネットアンケート会社のモニター2000人に対して「直近一か月の動向」についてウェブ上のアンケートを3月に行い、回答を得たもの。男女比、年齢構成比などは非公開。

調査結果によると、直近一か月(2008年2月~3月)において、パソコンや携帯電話の有料コンテンツを利用したかどうかという問いでは約半数の人が「利用した」と答えている。

インターネット利用者の有料コンテンツ利用状況
インターネット利用者の有料コンテンツ利用状況

内訳は「携帯電話のみ」が2割強、「パソコンのみ」が1割強、「パソコンと携帯電話両方」が1割という具合だ。さらにその利用者に、一人当たりの有料コンテンツ利用金額についてたずねたところ、平均では1395円という値が出た。

一人当たり有料コンテンツ利用金額(一か月あたり)
一人当たり有料コンテンツ利用金額(一か月あたり)

この結果を見ると

・パソコンの有料コンテンツ利用金額の方が携帯電話のそれより高い。約3倍の値を示している。
・パソコンでは映像系への出費が多く、携帯電話では音声系のが多い。前者は動画サイトやオンラインゲーム、後者は着うた・着メロが主な構成要素。
・テキスト系への出費は(コンテンツそのものの減少もあるのだろうが)少額にとどまっている。


などの傾向が見て取れる。

携帯電話の有料サイトへの
平均支出額は月700円。
「1サービス500円のを利用すると
残りはわずか200円」という
利用者のお財布事情を
制作側は知る必要がある。

特に携帯電話の平均利用額を見ると、一か月あたりの出費は約700円でしかない。一方で第三世代の携帯電話向け公式サイトの中には、一か月500円程度の利用料金を取るサービスも少なくない。制作費の事情からの価格設定なのだろうが、購入者側のお財布事情を考えると、「その一本を利用したら他のサービスなどかまってるヒマがないほど面白い」ものを提供できる自身がない限り、半ば以上無謀な設定なのかもしれない。


詳しい解説は省略するが、今調査結果では制作費・配信量などのデータも掲載されている(2006年までのものだが)。それを見る限りテキスト系・音声系のコンテンツは横ばいかやや縮小傾向にあり、今後は映像系コンテンツへの制作側の注力と躍進が予想される。メディアの性能があがり、インフラも整備され、利用者のニーズも高まる中、文字より音、音より映像を求める姿は当然といえよう。

物価の変化や人気コンテンツの平均単価の動向で、多少の上下はあるだろうが「パソコンやケータイの有料コンテンツへの出費は1か月あたり1500円前後」というスタンスはしばらく変わらないものと思われる。メディアが複雑化すると共に制作費がうなぎ上りになる中、制作者サイドによる「1500円」の奪い合いが今後ますます激しくなるに違いない。

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