優先席付近のケータイオフ、守ってます? 実際にはわずか●割しか……

2008年06月30日 08:00

モバイルイメージ【マクロミル(3730)】は6月27日、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の男女を対象にした交通機関のマナー実態調査の結果を発表した。それによると交通機関内における携帯電話のルールについて、「車内ではマナーモード・通話しない」はほぼすべての人が守っているものの、「優先席付近では電源を切る」はわずか4割足らずしか守っていないことが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は6月9日から11日にかけてインターネット経由で行われ、有効回答数は520人。男女比・年齢階層比は非公開。15歳~59歳の東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県在住者を対象にしている。今回取り上げる項目は、520人のうち、交通機関に月1回以上乗車をしている459人が対象。

公共交通機関では原則として、「車両内では携帯電話はマナーモード設定の上、通話はしない」、さらに「優先席付近では携帯電話の電源を切る」というのがルールとなっている。法的拘束力はないものの、車両内のあちこちにラベルなどで注意書きがあり、事あるごとに車内放送で告知してるため、知らない人はほとんどいないはずだ。

「車両内ではマナーモード設定の上、通話はしない」については、「必ず」「大体」をあわせ、96.0%もの人が「守っている」と答え、ほぼ遵守されていることがわかった。

「車両内では携帯電話はマナーモード設定の上、通話はしない」
「車両内では携帯電話はマナーモード設定の上、通話はしない」

「知らなかった」と回答する人がいるのも驚きだが、それはともかくほぼすべての人がルールを守っていることがうかがえる。

しかし一方で「優先席付近では携帯電話の電源を切る」については遵守しているのは38.8%と半数にも満たないことが分かった。

「優先席付近では携帯電話の電源を切る」
「優先席付近では携帯電話の電源を切る」

マナーモードと違い「電源を切る」となると、端末そのものの機能を止めることになる。その抵抗感からか「優先席付近では携帯電話の電源を切る」の普及度は低いのか……とも思われたが、このルールを守っていない人にその理由を複数回答で尋ねたところ、「つい忘れてしまうから」がもっとも多く、次いで「面倒だから」が多数を占めていた。

「優先席付近では携帯電話の電源を切る」を守っていない理由
「優先席付近では携帯電話の電源を切る」を守っていない理由

電源を切ることで携帯電話の機能が停止してしまうことへの困惑から、ルールを守っていないのは第三位で22.3%。決して低い数字ではないが、「つい忘れてしまうから」「面倒だから」というスナック感覚なり理由たちと比べれば少ない。この上位二位がその立ち位置にいるのは、「優先席付近では携帯電話の電源を切る」という行為が軽んじられているからなのかもしれない。

また、上位二位の理由では、男性が「面倒だから」、女性が「いつ忘れてしまうから」が多かった。これを見ると「男性は分かっていても軽視しているがためにやらない」「女性は優先席付近でのルール自体を忘れるほど軽んじている」傾向にあるようだ。どちらもどちらという感があるが、やや男性の「知っていてもやらない」の方がタチが悪いように思える。


以前別の記事でも触れた記憶があるが、公共交通機関で「車両内では携帯電話はマナーモード設定の上、通話はしない」「優先席付近では携帯電話の電源を切る」というルールがあるのは次の理由による。

マナーモードの上、通話はしない……単純に「うるさいから」以外に、第三者には携帯電話を持っている側の声しか聞こえず相手側の声が耳に入らないため、「一方的に話している」ように聞こえてしまうため。単なる車内のおしゃべり以上に「違和感」を感じ、それが不快感にもつながるから。

優先席付近では電源を切る……ペースメーカーに対するリスクは当然の話。そして、たとえ実際には影響を受けにくいペースメーカー、与えにくい携帯電話だったとしても、「影響を受けるかもしれない」という可能性だけで、ペースメーカー保有者には大きな負担となるから。


どちらも、「不特定多数の人が閉鎖空間内で時間と場所を共有する」という、ある種特異な場である公共交通機関だからこそ、考えなければならないお話。

「優先席付近では電源を切る」
遵守率が低いのは
リスクを受ける側に
立つ経験を持つ人が
少ないため

さらに今回の設問には用意されていないが、「優先席付近では携帯電話の電源を切る」への遵守率が低いのは、多くの人にとって「自分自身がリスクを受ける立場には無い」ことが原因としてあるのだろう。「マナーモード」に切り替えずに車両内で会話をしている人への違和感や不快感は誰もが経験したことがあるはず。一方で、ペースメーカーへの携帯電話のリスクについては、ペースメーカー保有者でないとその心境を実感することはできない。

自分自身のことで精一杯な、せちがらい世の中であることには違いないが、同時に他人のことに気を配らないことには、社会生活を続けていくことは難しいのもまた事実。電車内での携帯電話の利用には、もう少し気を配ってみてはいかがだろうか。

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