電車内 隣の人の不快顔 あなたに向けた「意思表示」かも

2008年06月30日 08:00

電車内混雑イメージ【マクロミル(3730)】は6月27日、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の男女を対象にした交通機関のマナー実態調査の結果を発表した。それによると交通機関内で不快に感じる行為に接した場合、「特に何もしない」以外では「表情や態度で不快感を表す」と答えた人がもっとも多いことが明らかになった。直接口頭などで伝えることはしないものの、「自分は不快に感じている」意思を表明したいようすがうかがえる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は6月9日から11日にかけてインターネット経由で行われ、有効回答数は520人。男女比・年齢階層比は非公開。15歳~59歳の東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県在住者を対象にしている。今回取り上げる項目は、520人のうち、交通機関に月1回以上乗車をしている459人が対象。

電車やバス、地下鉄などの公共交通機関内で、「不快に感じる行為」に遭遇した場合、どのような行動をとるかをたずねたところ、「特に何もしない」がもっとも多く35.0%を占めた。

公共交通機関内で、「不快に感じる行為」に遭遇した場合、どのような行動をとるか
公共交通機関内で、「不快に感じる行為」に遭遇した場合、どのような行動をとるか

次いで「表情や態度で不快感を示す」が3割強を占めた。また、やや少なくなるが「別の席や車両に移動する」が18.5%。1割以上の得票を得たのはここまでで、あとは少数派と見てよいだろう。

「不快に感じる行為」が具体的にどのようなものなのか例示されていないので、回答者それぞれの想像に任せる形となっており、その「行為」の度合い、さらにはその行為をしている対象がどのような人なのかによって対応は変化しうると思われる。しかしそれを差し引いても(あるいは一般論として)、「特に何もしない」がもっとも多いのは、現在において「面倒なことに巻き込まれるのは勘弁願いたい」という多くの人の本音が見て取れる。実際、自由回答では「面倒なことに巻き込まれたくないから」「今の世の中は、おかしい人が多いので、関わりあいたくない」「以前は注意したが危ないのでやめた」などの意見が見受けられる。

一方、何らかの行動をする場合では、直接相手に意思表示をするのではなく、「表情や態度で不快感を示す」と間接的に表現する人がもっとも多かった。例えば車内でたばこを吸っている人が居た場合、「車内は禁煙ですよ」と注意するのではなく、煙たがったり咳き込んでみたり、さらにはしかめっ面をしてみるといった具合。

隣の人のしかめっ面
実はあなたの
「不快に感じる行為」への
意思表示かもしれない

「自分はこんなにも不快さを感じている。それはあなたの行為が原因なのですよ。だから止めて欲しいな」という意思を、表情や態度で伝え、相手の善意に(あるいは「気付き」)に期待しているわけだ。そこまで分かって意図的に「不快に感じる行為」をしている人になら効果はないが、気付かずにしていた人なら、気付かれさえすればそれなりに効果はあるだろう。自由意見でも「直接言うことへのリスク」を述べている人が多い。

そのような意思表示ですら怖い、しかし「不快な行為」の場は何とかしたい。そうなると出来ることは「戦略的撤退」こと「別の席や車両に移動する」。こちらも自由意見では「下手にかかわるとどんなトラブルに巻き込まれるか分からないから」など、「万が一」を避ける意見が多かった。

さらに男女別では、「表情や態度で不快感を表す」という意思表示すら女性は怖いと考えているようで、「別の席や車両に移動する」が男性と比べて10%近く高かったのも目に留まる。逆上された時のリスクを考えると、女性の方が慎重になる気持ちも分からないではない。


年齢階層別の回答割合が公開されていないので推測でしかないが、掲載されている自由回答の抜粋を見ると、年齢が高い人の方が「相手の逆上が怖いので」を主旨とする答えをしている人が多いようにみうけられる。よくある言い回し「近頃の若い者は」ではないが、この年齢層の目には若年層は「容易にキれやすい存在」であり、同時に何かあってもねじ伏せることが難しい「怖い異世界人」と写って見えるのだろう。

もし電車やバスなどの中で、隣にいる人のネガティブな表情に気がついたら、まずは自分自身を疑ってみよう。その人の精一杯の「警告」なのかもしれないのだから。

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