教室の中の檻(おり)、学校の対応と限界と

2008年06月07日 12:00

時節イメージ【Mail Online】に一見違和感のある、そして説明を読むと深く考えさせられる写真が掲載されていた。違和感のある木で作られた「檻(おり)」(4メートル四方とあるが、写真を見る限りではもう少し小さい)が教室内におかれている。しかしそれは子どもたちが遊ぶための秘密基地でなければ、掃除用具入れでもない。ある子どもを閉じ込めておくための檻なのだという。これがさるオーストリアの教室内に一時期実際に置かれ、利用されていたとして問題視されているとのこと。

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ある子どもを「保護」するために作られた木製の檻
ある子どもを「保護」するために作られた木製の檻

元記事によるとこれはオーストリアのHartheimにある、元々心身に障害を持つ子どものための学校で起きた話。生徒の一人でSandraと呼ばれる少女(14歳)が、授業中常に落ち着きを見せずに暴れまわり、繰り返しの注意にも関わらず先生や他の生徒への「攻撃(殴る、かみつく、引っかくなど)」を止めないないため、仕方なしにこのような「檻の中への収監」措置を決めたのだという。

学校側は後に「他に手の打ちようがなかった」と説明。しかし今件が役場に知られると、役場側ではこの檻の使用を禁じ、さらに法的に問題があったのではないかという調査が入っているとの話もある。

一見した時は「ADHD(注意欠陥/多動性障害)あたりの問題か」とも思われたが、それとも少々違うようだ。状況的にありえる話とはいえ、学校側の「他に手の打ちようがなかった」とのコメントにもあるように、状況がずいぶんと切羽詰っていたことに違いない。「撤去するべきだろうが、ではその後学校側はどのように対処できるのか」を考えると気が重くなる。

元記事の読者からのコメントでも「もっと医学的な観点から彼女へ対処すべきだ」とする意見がある一方、「教師側の苦労を省みるべきだ」「退学させるという選択肢に比べればずいぶんと寛容では?」というコメントもあり、世論も分かれている。

これ以上の詳しい状況は伝えられていないので判断は難しい。しかし写真が示す状況と事情は、色々と考えを巡らさざるを得ないことに違いは無い。

余談だが【地元紙の報道】によると、学校のあった場所は第二次大戦中においてナチスドイツによる強制収容所があった場所でも有名だったとのこと。そういう歴史的背景があり(過去の忌まわしき歴史を連想させるとして)、騒ぎが一層大きくなっているようだ。

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