【更新】10月に再び30%値上げも!? 小麦売り渡し価格引き上げ示唆

2008年06月18日 08:00

小麦イメージ[毎日新聞]が6月17日伝えるところによると、農林水産省は同日、製粉会社に売り渡す輸入小麦5銘柄の価格を10月に引き上げる見通しであることを明らかにした。値上げ幅は現行価格から2~3割程度になるという。8月中に最終決定し、公表するとのこと。正式なリリースは開示されていない。

スポンサードリンク

【パンやうどんなどの値上げも?~輸入小麦の政府卸売価格、10月から10%引き上げ】で説明しているが日本において小麦の大部分は大部分は食品の安定的な国内供給を確保するため、政府が商社を経由して輸入し、その上で(国内の小麦農家への補助金にあてる費用を一定額上乗せしてから)企業に売り渡すという、農協におけるお米の売買と似たような仕組みを採用している。これまで年間固定制だった売り渡し価格は2007年から年3回(当面は年2回4月と10月)の変動が行なわれる。2007年4月の値上げは1.3%で済んだが、2007年10月にはこのルールに従い10%、そして今年の4月には【小麦価格4月から30%引き上げ・農林水産省発表】にあるように30%も引き上げられた。

【前回値上げの際のプレスリリース】にもあるが、価格決定は変更時の2か月前に行われ、決定においてはその時点の前月から直近8か月間の平均買い付け価格を元に売り渡し価格を試算する。10月変更分については2007年12月分から2008年7月分が参照される。そして5月時点における平均価格は「現行(4月改定時)の売り渡し価格を3割ほど」上回っているという。

シカゴ取引所における昨年後半以降の小麦価格の変移
シカゴ取引所における小麦価格の変移(【フジフューチャーズ】から)。ちょうど高値をつけている時期が参考期間であることが分かる
小麦価格がこのまま推移すれば
10月に再び30%値上げも避けられない

小麦価格は2月末に最高値をつけた後下落に転じていたが、5月末を底値とし再び上昇を見せる傾向を示している。このままの傾向が続けば(しかもあと2か月足らずしかない)、10月の小麦売り渡し価格が再び30%の引き上げを行うことも十分に考えられる。現在でも高止まりにある小麦関連商品(パン類やめん類など)の大幅値上げは避けられない状況になるだろう。


(最終更新:2013/08/05)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ