学生相手か? よろしい、ならばケータイだ

2008年05月28日 08:00

IMJモバイルは5月27日、携帯電話の各種サービスを提供するコンテンツ配信会社側の取り組み実態や意識に関する調査結果を発表した。それによると学生向けの販売促進やサービス展開などのマーケティングを行う場合、企業サイドではパソコン向けよりも携帯電話向けの方が優れていると考えていることが明らかになった(【発表リリース】)。

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今調査は5月12日から13日の間、携帯電話向けサイトを保有・保有予定の企業に勤務し、それらのサイトに何らかの権限を持つ人に対し、インターネット経由で行われたもの。有効回答数は310。企業規模は10~50人の中堅企業が19.0%、1000~5000人・10人未満の企業が18.1%など。実際にサイトを保有している割合は58.4%、保有する予定があるが41.6%。企業単位の集計ではなく、何らかの形で関わっている当事者の統計であることに注意をする必要がある。

回答者に対しパソコンサイト・モバイルサイトそれぞれのターゲット層(アピールしたい、見て欲しい対象)をたずねたところ、全般的に学生に対してはパソコンサイトよりモバイルサイトが上回る結果が出た。

パソコンサイト・モバイルサイトそれぞれのターゲット層(複数回答)
パソコンサイト・モバイルサイトそれぞれのターゲット層(複数回答)

表中に「F1」「M1」などの表記があるが、これはマーケティング用語で集計区分を示す。具体的には「F」が女性で「M」が男性。「1」は20~34歳、「2」は35~49歳、「3」は50歳以上。例えば「M1層」なら「男性20~34歳の層」を意味する。また「DINKS」は「Double Income No Kids」(共働きで収入あり、子供なし)のライフスタイルをあらわす。今回の表ではF1・M1をまとめて「シニア層」と表現したのだろう。

購買力などを考えると学生よりは成人向けにマーケティングをする場合が多いことから、回答数的にはF1層・M1層がモバイルサイトのターゲットが多い結果が出ている。携帯電話経由で展開しうる商品・情報などが若年層向けなものが多いことや、携帯電話の普及率が若年層の方が高いことからなのだろう。

一方、数そのものは成人と比べてはるかに少ないものの、未成年向けのマーケティングにおいてはパソコンよりもモバイル(携帯電話)の方がいずれも数が多いという結果が出ている。手元に情報を届けやすい(リーチ率が高い)という観点では、未成年においては携帯電話の方が優れているという判断に違いない。


若年層向け、特に学生には
携帯電話での展開が有効。
フィルタリングとにらめっこしながら
企業の模索は続く。

外食産業で大いに活躍している携帯電話経由のクーポンやコミュニティ系のサイトは、学生、あるいはF1・M1層を中心に展開している。現在こそやや年齢層が上がっているものの、【ディー・エヌ・エー(2432)】【モバゲータウン】もかつては20歳未満の学生層をメインとしていた(【モバゲータウン会員数1000万人突破・20代ユーザー増加の傾向】)。現在未成年の人たちが年をとり成人化することで携帯電話をフルに活用する年齢層が上昇するものの、今後も若年層、特に学生向けマーケティングやサービス展開は携帯電話を中心に行われることになるのだろう。その方が効率よく成果を上げられるからだ。

そこで気になるのはフィルタリングの問題。企業側が意図していなくても規制側の判断で、サイトそのものがブロックされる可能性がある。携帯電話が有効な手段と分かっていても、フィルタされるかもしれないというリスクと相談しながら、恐る恐る携帯電話でのサービス展開が行われていくに違いない。

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