食品の安全問題で増加する国産食品への傾倒化

2008年05月24日 12:00

農家イメージエルゴ・ブレインズは5月22日、食についての調査の結果を発表した。それによると昨今の輸入食品の相次ぐ問題発生を起因としてか、食生活において国産食品・輸入食品への意識が高まり、国産食品を積極的に食べる傾向が増えていることが明らかになった。限られた情報の中で食の安全を確保する手段として、消費者が産地に注目し、リスクが低いと思われる国産品へと流れているようすがうかがえる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は4月30日から5月9日までの間、ネット経由で1000人の有効回答を得た結果を元に分析したもの。男女比は60.5対39.5。年齢階層比は25~29歳が12.9%、40~44歳が11.9%、65歳以上が11.6%など。

食品価格の値上げでただでさえ食材に関する注目が高まっている中、昨今の食の安全・安心面をゆるがすような問題があり、消費者は口にするものへの不信を募らせている。一般的に輸入品よりもリスクが低いと思われている国産品を食べるように気にかけているかどうか、2007年11月の前回調査と比較した数字では明らかに高まっている傾向が見られる。

食生活で気にしていること 「国産品を食べる」
食生活で気にしていること 「国産品を食べる」

全体的には「とても」を含めた「(国産品を)気にして(食べて)いる」と応えた層は全体で6割近くに上っている。前回調査から15.1ポイントの増加は誤差では説明できないボリュームといえる。明らかに消費者意識は国産品へスライドしているようだ。

詳細は資料で統計化されていないが、自由回答でもやはり、「国産品は安全」「中国産を意識」という回答が多かったという。この二つがデータ上の結果を象徴するものでもあることはいうまでもない。

さらに食品を購入する際に「国産」「輸入」を意識するかどうかについてたずねたところ、意識するという回答率は前回比で13.7ポイントの増加となった。「食べる」の15.1ポイントとほぼ同じ値であり、ギョウザ事件などにより半年で約15%の人が「国内食品を意識して買い、食べるようになった」ということになる。

購入の際に国産食品と輸入食品は意識するか
購入の際に国産食品と輸入食品は意識するか

年齢別では20代・50代の伸び率がやや高いが、どの年齢でも押しなべて国内食品への意識が高まっていることが分かる。


日本では採れない食品を除けば、輸入食品を購入するのは「安いから」に他ならない。逆に考えれば同じ食品でも国産食品は割高ということになる。国産を選べはそれだけ価格は高くなり、ただでさえ食品価格が値上げしている昨今、二重に食卓に大きな影響を与えることになる。

そのような状況においても、【国産食品なら割高でも良い額は●●%・高まる国産への期待】でお伝えしたように「2割くらいまでなら高くても国産の食品を選択する」という意見が大勢を占めているのは、それだけ食品の安全・安心に対する意識が高まっている表れでもある。

もちろん食材を提供する農家や流通業者、企業はこの期待に応えるべく、安心・安全な食品を流通するよう心がけねばならないことはいうまでもないだろう。

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