同じ「飲む」で相乗効果!? 喫煙者が大酒飲みだと肺がんリスクは1.7倍

2008年05月31日 12:00

たばこと飲酒イメージ厚生労働省研究班による多目的コホート(JPHC)研究班は5月27日、飲酒と肺がんのリスクに関する研究結果を発表した。それによると、非喫煙者と飲酒との間には肺がんリスクの関連性はないものの、喫煙者と飲酒との間には肺がんのリスクについて1.7倍もの関連性が生じていることが明らかになった。研究班ではこの結果を踏まえ、「飲酒の肺がんの発生への影響は、喫煙によって助長される可能性がある」とコメントしている(【発表リリース】)。

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今調査は岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県柏崎、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所管轄内に住む40~69歳の男性約4万6000人を対象に14年間追跡調査を行ったもの。喫煙者と非喫煙者に分類した上で、飲酒の頻度で区分を行い、それぞれのグループで肺がんの発生リスクの統計をとった。

喫煙・非喫煙に分類した上での飲酒習慣と肺がんリスク(赤二重丸は統計学的に有意差あり)
喫煙・非喫煙に分類した上での飲酒習慣と肺がんリスク(赤二重丸は統計学的に有意差あり)

表を見ればお分かりの通り、すべての飲酒頻度において非喫煙者よりも喫煙者の方が肺がんのリスクは高い。また、「お酒をまったく飲まない喫煙者」(1.6倍)「お酒を大飲みする(1日2合以上)する喫煙者」(1.7倍)に、肺がんのリスクが(統計学上)高くなるという結果が出ている。

この研究結果を受けて研究班では

・飲酒の肺がんの発生率への影響は、喫煙によって助長される可能性がある
・「飲まない」層で喫煙者の肺がん率が高いのは、「昔は飲んでいたが体調悪化で飲めなくなった」「もともと肺がんリスクの高い人が含まれていた」可能性がある


という結論を導き出している。そして「喫煙&飲酒で肺がんリスクアップ」の生物学的な説明として、お酒の中に含まれるエタノールが分解してできるアセトアルデヒドは「がん」の発生に関わる可能性があること、そしてさらにエタノール中の酵素がたばこの煙の発がん性物質をも活性化してしまっている可能性があると指摘している。要はお酒・たばこそれぞれ単独の発がんリスクに加え、お酒がたばこのリスクを上昇させる要因をも供えているわけだ。

また同時に研究班では、今回の調査で「非喫煙者による肺がんリスク増加」が見られなかったものの、生活習慣病の予防のためには日本酒換算で1日1合(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)までにひかえた方がよいとアドバイスしている。そしてもちろん「飲まない人が無理に飲む必要はまったくありません」とも付け加えている。

たばこを普段口にして、肺がんについて気になっている人がいたら、同時にお酒のたしなみ方についても自分を見つめなおした方がよいかもしれない。

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