ケータイフィルタリングで36%の企業が「運営に影響あり」

2008年05月28日 08:00

IMJモバイルは5月27日、携帯電話の各種サービスを提供するコンテンツ配信会社側の取り組み実態や意識に関する調査結果を発表した。それによると昨今問題視されている携帯電話を取り巻く環境の中で、若年層に対して問題視されている内容をブロックする「フィルタリング」について、36%の企業が「影響する」と回答していることが明らかになった。問題視される内容かどうかはそのほとんどが配信企業サイドから決めることではないのだろうが、フィルタリングサービスの波及は「携帯電話のビジネスモデル」そのものを揺るがす可能性があることを示唆している(【発表リリース】)。

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今調査は5月12日から13日の間、携帯電話向けサイトを保有・保有予定の企業に勤務し、それらのサイトに何らかの権限を持つ人に対し、インターネット経由で行われたもの。有効回答数は310。企業規模は10~50人の中堅企業が19.0%、1000~5000人・10人未満の企業が18.1%など。実際にサイトを保有している割合は58.4%、保有する予定があるが41.6%。企業単位の集計ではなく、何らかの形で関わっている当事者の統計であることに注意をする必要がある。

【パソコン5割、携帯ゲーム機6割、携帯電話は4割強~昨今の子ども事情】などにもあるように、現在では小中学生もその多くが自分の携帯電話を持つ時代。色々な問題も発生し、【携帯電話のフィルタリングサービス義務化、賛成は約8割】にもあるように「問題視されるコンテンツ(内容)を閲覧させない」フィルタ機能(フィルタリング・サービス)を導入することが促進されている。また、義務化すべきであるという主張も高まりつつある。

そのような「携帯電話へのフィルタリングサービス導入」の動きに対し、それぞれが運営している、あるいは運営を予定している携帯サイトへの影響をたずねたところ、全体の36%が何らかの形で影響するという反応があった。

携帯電話へのフィルタリングで携帯サイト運営方針に及ぼす影響
携帯電話へのフィルタリングで携帯サイト運営方針に及ぼす影響

全体的には「影響する」が「影響しない」をやや上回る結果となった。また、「どの程度影響するかわからない」という、状況の把握をしきれていない層も2割強にのぼり、「実際に普及(あるいは義務化、自社サイトがフィルタの判断対象)してみないと分からない」実情が見て取れる。明確なガイドラインが無く、各業者でまちまち・あいまいなところが判断を迷わせているのだろう。

「影響する」36.4%
「影響しない」34.1%
「分からない」24.5%

「まだ未保有」の人がもっとも「どの程度影響するかわからない」の割合が多いのは、自社が構築予定のサイトの全体像・内容が確定しておらず、またサイトを造る過程で、フィルタの審査基準に合致するかどうかがつかめないためだと思われる。ここにも「基準がまちまち・あいまい」なことに対する配信側のとまどいが見て取れる。


保護者の立場からは「携帯電話にフィルタリングを」との声が高まりつつあり、行政側もそれに向けて動き出している(【「小中学生に携帯電話を持たせない」報告書明記を確認】)。さらには「携帯電話そのものを持たせない」という話にまで展開する様相を見せている。

子どもを巻き込んだ携帯電話絡みの問題を耳にするにつけ、賛成派の意見、そして保護者の心配も十分に理解できる。おそらくは何らかの形で規制強化がされる方向で、携帯電話業界そのものが動き、実働することになる。携帯電話を使ってサービスを運用する企業サイドも、子どもが触れる可能性があるものについては十分にリサーチをし、フィルタリング機能に抵触しないものを考え、作り上げることが求められるようになるのだろう。

(最終更新:2013/08/05)

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