アリサカ(2328)、不正会計発覚・会社更生法申請で上場廃止へ

2008年05月28日 08:00

すでに米米優待倶楽部では速報でお伝えしているように、ジャスダックに上場しているアミューズメント施設経営の【アリサカ(2328)】は5月27日、複数年度にわたる不適切な会計処理が判明したことを発表、さらに会社経営の建て直しが現状では難しいとし会社更生手続きの開始を申し立てたと発表した。これに伴いジャスダック証券取引所では同銘柄の上場廃止を決定している。不適切な会計処理判明の発表は27日深夜の時点で、場の開場時は監理銘柄指定されていたが、同日のうちに整理ポストへの割り当てが決まるという稀有な事例となった。

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当日のようすをタイムスケジュールに追うと次の通り。

・5月27日2時51分……【複数年度に渡る不適切な会計処理の判明および平成20年3月期決算発表の延期について(PDF)】配信。監査法人の指摘で過年度における棚卸資産の過大計上や店舗改装費の架空計上等の不適切な会計処理が判明。債務超過の可能性を示唆。
・8時23分※……ジャスダック、アリサカを監理ポスト指定。
・11時17分……ジャスダック、アリサカの売買を16時30分(=終日)停止措置。
・11時25分……【会社更生手続開始の申立てに関するお知らせ(PDF)】配信。資金調達の困難な現状、売り上げの増加を短期的に見込むことは難しいことから、自主再建を断念。会社更生手続き開始を通知。
・11時30分~……宮崎県庁で記者会見。「私が粉飾を指示した事実はなく、会社ぐるみではない」(有坂社長談)(【朝日新聞】)。
・12時38分※……ジャスダック、アリサカを整理ポストに割り当て。6月28日上場廃止。

※は報道時間


負債総額は5月23日時点で135億3207万5711円。5月26日時点の時価総額25億8500万円と比しても通常はありえない額といえる。大株主には有坂氏らの親族以外にオリックス、宮崎銀行、セガなどが見受けられる。

元々アリサカ四季報や各種発表諸表では有利子負債の大きさや株主持分比率の低さに不安要素はあったが、お米券の優待を年二回配布し、配当利回りも高く(年15円配当)、中長期保有向けの銘柄として注目される面もあった。しかし一部ネット上では、昨年あたりから特に財務諸表上の不可解な点や借り入れ金利の高さなど、財務内容に「?」マークをつける意見も見受けられる。

とはいえ、多数の投資家にとってはまさに晴天の霹靂(へきれき)に他ならない。27日は午前3時前に突然決算遅延と不正会計のリリースが配信され、開場から同銘柄は特売りで寄り付かず前場を終え、その後会社更生手続き・整理ポスト割り当て・終日売買停止と続いたため、「逃げ場すら与えられない突然死」に近い状態となった。

リリースの詳細を読み解くとゲームセンターなどの経営が非常に難しい状況におちいっていたことが語られている。直前に【加速するゲームセンター離れ・理由は「多忙」「割高」「自分の環境の変化」など】で利用者側からの「ゲームセンター離れの要因」を伝えていただけに、そしてくだんの「米米優待倶楽部」でオープン以降システムまわり以外の「初の関連ニュース」としてこのような不幸な話を伝えねばならなかっただけに、当方(不破)としても非常に複雑な気分で今ニュースを耳にしたことはいうまでもない。

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