ケータイ小説、読む時間は1日45分

2008年05月02日 06:30

携帯電話を利用したリサーチを展開するネットエイジアは5月1日、「ケータイ小説」に関する調査結果を発表した。それによると「ケータイ小説」(携帯電話で読めるライト感覚な小説)を読んだ事のある人は平均すると1日あたり45分を費やしていることが明らかになった。また、口コミで自分も読みたくなるのではなく、自分自身の意志で「面白いから」「どこででも読めるから」と判断し選んでいるという結果も出ている(【発表リリース】)。

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今調査は4月20日から22日、15歳から39歳の携帯電話ユーザーを対象に行ったもので、回答サンプル数は400人。男女比は1対1で、年齢階層比は10代22.0%、20代34.5%、30代43.5%。サンプル数がやや少なめであることや、若年層の携帯電話ユーザーを対象としているので世間一般の意見とは多少のぶれが生じている可能性があることを考慮する必要がある。

平均時間は45分、しかし……

同調査では「ケータイ小説」を読んでいる人は全体の8.8%、10代女性にその割合が多いという結果が出でいる。調査対象を考えると「世間一般」では5%前後となると見てよいだろう。「ケータイ小説」の文化はまだメジャー化はしていないようだ。一方その「ケータイ小説」を読んでいる人に読む頻度を尋ねたところ、「ほぼ毎日」と答える人がもっとも多く37.1%となった。

■ケータイ小説を読む頻度は?(読んでいる人限定)
・ほぼ毎日……37.1%
・週2、3日……28.6%
・月2、3日……20.0%
・週4、5日……8.6%
・月1日以下……5.8%

■1日にケータイ小説を読む時間は?(読んでいる人限定)
・10分……17.1%
・120分以上……17.1%
・30分……14.3%
・60分……14.3%
・5分……11.4%
・90分……5.7%


「1日に読む時間」を加重平均すると45分となるという。ただし数字から見てお分かりの通り、「読む人」の調査絶対数が少数で、データにはかなりのばらつきがある。あくまでも「参考平均値が45分。実質的には人それぞれで自由な読書スタイルをしている」と考えた方がよいのかもしれない。

読む理由は「自分で決めて」

ケータイ小説を読む理由についてたずねたところ、「小説のテーマや内容が面白い・興味をひかれる」が最も多く74.3%となった。

■ケータイ小説を読む理由
・小説のテーマ、内容が面白い、興味をひかれる……74.3%
・ケータイでどこにいても読める……65.7%
・文章が読みやすい……28.6%
・考えなくて読める……20.0%
・周りで話題になっている……5.7%
・人にすすめられて……5.7%


インターネットや携帯電話を用いたサービスでは「口コミ効果」が非常に期待され、喧伝される。しかし「ケータイ小説」に限って言えばそのようなバイラルマーケティング的な口コミ効果というより、ユーザー一人一人が「面白そう」「気軽」「読みやすい」という自分自身の考えで選んでいることが分かる。小説を読むのは基本的にひとりであり、ケータイ小説では選択するのもひとりなようだ。

なお利点の一つとして5人に1人が「考えなくて読める」と答えている。これは【ケータイ小説、出版化されれば7割が購入】で触れた、「ケータイ小説は感じる表現作品」につながるところがある。

やはり他メディア展開は効果があるのか!?

ケータイ小説の広がりと共に書籍化・映画化も相次いでいるが、それら「他メディア展開」でも面白い結果が出ている。「書籍化されたケータイ小説の購入経験はあるか」との問いに、全体では11.5%、ケータイ小説を読んでいる人では34.3%という答えが出ている。

■ケータイ小説書籍版の購入経験は?

・購入経験あり……11.5%
・「ケータイ小説を現在読んでいる人に限定」購入経験あり……34.3%
・「ケータイ小説を以前読んでいた人に限定」購入経験あり……23.2%
・「ケータイ小説を一度も読んだ事がない人に限定」購入経験あり……4.4%。


今調査ではケータイ小説の映画版についても質問しているが、やはり同じような結果が出ている。先の「ケータイ小説、出版化されれば7割が購入」における7割と比べれば少なめではあるが、ケータイ小説に深い興味を持っている人ほど、他メディア展開したものにも興味を持つことが分かる。さらにはケータイ小説そのものからは離れている人でも、それなりに「他メディア展開したケータイ小説」興味をそそられる現状が見て取れる。


同調査では「ひかれる・読みたい内容のケータイ小説」についてもたずねている。それによるとケータイ小説の読者層は「泣けるもの」「無さげだが身近にありそうなもの」「自分自身や自分の周りにありそうなもの」「作者の実体験したもの」など、「親近感を得られるごく普通の話で、しかも心を揺さぶられるもの」を求めていることが分かる。

「ケータイ小説」は
携帯電話のコミュニケーションの
延長線にあるもの?

「ひんぱんに目を通す」「自分で選ぶ」「身近な話」というキーワードがケータイ小説から見えてくるが、これは携帯電話で広がった「メールや会話による他人との新しいコミュニケーション」の延長上にあるような気もする。自分が「独りで無いこと」を確認し、平凡な日常生活の中で、他人の生活との接点を求め体感するため、「架空の物語」だがリアル感のある、しかも肩を張らずに読める「ケータイ小説」を好んで選ぶのだろう。


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(最終更新:2013/08/06)

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