農林中金、サブプラ関連1000億・株価低迷などで1800億円の損失見込み

2008年05月01日 08:00

株式イメージ農林中央金庫は4月30日、5月27日に公表する予定の2008年3月期決算について、サブプライムローン問題やその他金融市場混乱の影響で約2800億円の損失(減損・引当処理など)を計上する見込みであることを正式に発表した。比較的影響が少ないといわれていた日本の金融機関でも、サブプライムローン問題による損失が拡大しつつあることを象徴する事例といえる(発表リリース)。

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リリースによれば

●減損・引当処理等
・サブプライムローン関連自身……約1000億円
・海外の証券化商品と株式……約1800億円


が発生し、一連の金融市場の混乱で合わせて2800億円ほどの損失が生じたことになる。注意すべきなのは「確定損」ではなく、「評価損に対する減損・引当処理」がメインであること。【農林中金、サブプライム関連損失900億円超に】にもあるように半期の時点で「(サブプライムローン関連商品残高4767億円のうち)残高に対する(償却していない)評価損は533億円」であったことから、半年でほぼ倍増した計算になる。

ただしアメリカで進行している金利低下や、株式市場の低迷と連動して起きていたアメリカ国債の売却を薦めた結果、これらの減損・引当処理などをしても経常利益(単体)目標の3520億円は達成できる見通しとのこと。

サブプライムローン関連の直接損失額1800億円という大きさは、日本国内の金融機関の中では【みずほフィナンシャルグループ(8411)】の5650億円、【野村ホールディングス(8604)】の2620億円に次ぐものとなる。さらに他の金融機関同様、あくまでも「評価損」であり「確定損」ではないため、今後市場の状況がさらに悪化すれば、追加減損処理を求められる可能性も否定できない。

半期の時点で「サブプライムローン関連商品残高は4767億円。総資産の1%未満に過ぎない」と発表しており、仮に「評価ゼロ」で計算してもこれ以上の損失は出ないはず。しかし伴って値を下げている「海外の証券化商品」についてはいかんともしがたい。今月末に発表される決算が気になるところだ。


(最終更新:2013/08/06)

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