違法な動画検索サービス「ロバストメディア検索」実証実験開始

2008年04月23日 08:00

動画イメージ【NTT(9432)】は4月22日、音や映像の特徴を照合しあうことで、インターネット上に投稿されたコンテンツの中にあらかじめ登録された「特定の音楽や映像」が含まれているかどうかを高速に検索できる「ロバストメディア検索(RMS:Robust Media Search)技術」を開発したと発表した。アニメや映画など著作権を持つ動画を事前に登録しておくことで、不法に投稿されたデータを高速で検索できるという。9月末までアメリカの企業BayTSP社と共同で実証実験を行い、その成果を確かめ改良をした上で国内外のテレビ局や映像コンテンツ配信会社、動画投稿サイトの運営会社に対しサービスとして提供する予定(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

ロバストメディア検索技術の概要
ロバストメディア検索技術の概要

今回開発された「ロバストメディア検索技術」は、音声や映像の信号の「特徴ある特定部分」が一致するかどうかを見つけ出し、同じものか否かを判断するもの。通常の「メディア検索技術」と比べ、信号の変化に影響されにくい性質(ロバスト性)に注目することで、音や映像の信号に変化(例えば別の音をかぶせたり、音質を変更させたり、画像を編集・劣化させる)があっても精度良く同一性を確認できるのがポイント。

さらに特徴のあるデータを抽出して数値化したり、数字の一貫性を考えながら照合していく工夫を行うことで、検索の性能向上に成功したとのこと。

RMS技術(映像探索)の工夫点
RMS技術(映像探索)の工夫点

今回NTTと共同で実験を行うBayTSP社は、著作物のインターネット上での使用モニタリングや監視サービスを権利者向けに提供する、オンラインコンテンツモニタリングの最有力企業。アメリカの大手メディアグループ企業やハリウッドの主要な映画制作会社などを顧客としている。実績と経験豊富な同社と提携することで、ロバストメディア検索の精度や実用性を高め、将来的にはASPサービスのように「守るべき著作物の登録」「問題投稿の削除手続き」まで一貫して提供する予定だという。

インターネット上の「著作権上問題のある」動画については、すでに【Youtubeの動画識別技術開発、国内からは角川が初参加】【違法動画を自動検出・KDDI研究所が新技術開発】で紹介したように、各社が競ってチェック技術の開発を進めている。今回の「ロバストメディア検索」は具体的な精度が公開されていないのでその実用性は定かではないが、BayTSP社と共同作業をするあたり、それなりに高い成果が見込めるのだろう。KDDI社の「98%の精度を誇るチェック技術」と組み合わせて二度チェックを行えば、より高い可能性で「問題動画」を検出し、しかるべき対処を取りやすくなるのではないか(時間と経費はかかるが)、と思うのは当方の素人考えだろうか。


(最終更新:2013/08/07)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ