投資指数は過去2番目の低水準…野村證券(8604)、2008年3月計測分の個人投資家動向を発表

2008年04月08日 06:30

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は4月7日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年3月発表分、PDF】)。投資家の先行き・見通しを表す指数が過去2番目の低水準を記録したことや、現状に対する見方で「弱気派」数が増加、3か月後の株価見通しで「下落」を回答した比率が4割に達するなど、投資家心理はまだまだ軟調にあることが見て取れる。

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今調査は1000件を対象に3月24日から26日に行われたもので、男女比は68.0対32.0。年齢層は40歳代がもっとも多く33.3%、ついで30歳代が26.2%、50歳代が22.9%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く25.5%、200万円未満が21.3%と続いている。

1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く29.1%を占めている。次いで1年から2年未満が20.1%、5年以上が17.9%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く49.5%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が25.4%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は過去2番目の低水準。現状への弱気感強し。3か月後の見通しは「下落」か「大幅上昇」のいずれかに分かれる。
・株式取引を減らす動きが一段と強まる。
・「市場への影響が考えられる要因」では「国内政治情勢」をネガティブととらえる見方が大幅上昇。
・魅力的な業種は5か月連続で「医薬品・ヘルスケア」がトップ。
・長期保有の際における配当や売却時の課税軽減制度、長期保有で優遇される優待制度などへの興味は7割以上。


という形に。3月は17日に日経平均株価が昨年来安値を更新するなど、2月の投資家心理の回復基調を吹き飛ばすような軟調市場が展開された。そのため投資家全体がしり込みしているような結果が相次いでいるのが分かる。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、上位5銘柄のほとんどにおいて銘柄そのものは変わりない。1銘柄が挿し変わった程度だ。先月同様【ソニー(6758)】が健闘しているのがやや目立つ。とはいえ、総論として「上位陣銘柄に変化はあまりない」ということだろう。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……【ソニー(6758)】
3位……【東京電力(9501)】
4位……[任天堂(7974)]
5位……【新日本製鉄(5401)】


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。トップの[トヨタ自動車(7203)]はもはや鉄板順位で間違いないが、ソニーが高ポジションを維持し続けているのも昨今の傾向の一つ。世界ブランドとしてのソニーが評価されているということだろうか。

今回のデータにあるように、三月には二月の持ち直しの雰囲気をすべてぶち壊すかのような下げ方を見せた株価動向だが、年度が変わった四月は今のところ幾分持ち直しを見せつつある。とはいえ金融市場の不安定さが解消されたわけではなく、今後オリンピックに向けて国際政治情勢が色々と動く可能性も否定できない。状況を「回復基調にある」と見るのか、「一時的なリバウンド。再び近いうちに軟調に逆戻りする」と判断するのか。引き続き次回の発表に注目が集まるところだ。

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