日本初の飲む禁煙補助薬「チャンピックス」、ファイザーから5月8日発売

2008年04月23日 08:00

お薬イメージアメリカ系製薬会社のファイザーは4月22日、ニコチン依存症のタバコを吸う人に対する新しい禁煙補助剤「チャンピックス錠」(バレニクリン酒石酸塩)を5月8日から発売すると発表した。脳内のニコチン受容体にのみ働いて、「タバコを吸いたい」という気持ちや喫煙時の満足感を抑えることで、喫煙をサポートする仕組み。日本では初の「飲む禁煙補助剤」となる(発表リリース)。

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チャンピックス錠
チャンピックス錠

チャンピックス錠は元々アメリカで禁煙治療を目的に開発されたもので、日本では初の非ニコチン製剤となる。これまでの禁煙補助薬(例えばガムやパッチタイプの貼り薬)がタバコの代わりにニコチンを補充することで禁煙に伴うイライラや集中できない離脱症状を軽減する「ニコチン代替療法」であるのに対し、「チャンピックス」は脳内のニコチン受容体に選択的に働き、離脱症状やタバコに対する切望感を軽減するとともに、喫煙による満足感を抑制する作用機序で禁煙効果を発揮する。

要は既存の禁煙補助剤が「タバコ代わりにニコチンを与えて切望感を抑える」のに対し、チャンピックスはその「切望感」そのものをブロックするということ。さらにチャンピックス服用中はタバコを吸っても「美味しい」という感覚が抑えられているため、以前のような満足感を得られず、「期待外れ」と思わせる効果もある。

チャンピックスの効用についてリリースでは

・偽薬との比較で12週間投与において4週間連続禁煙を果たした割合が65.4%(偽薬は39.5%)となり、高い禁煙率を示した。
・吐き気、頭痛、便秘などの副作用(大半が軽度)


などと説明している。またチャンピックスはすでに海外60か国以上で承認済みで、500万人以上が用いているとのこと。これまでパッチタイプの禁煙補助剤でうまくいかなかった人、さらにはヘビースモーカーにも有効な禁煙補助剤足りうるとファイザー側では説明している。

いわば自分自身の心境をだまして「タバコは旨くない」と思わせ、禁煙に向かわせるあたりはセルフコントロール技術に近いものがあるような気がする。要は「自らの意志でできない部分を薬の効用でサポートしてもらう」という考え方だ。

このようなやり方には賛否両論があるかもしれないが、少なくとも喫煙による健康への悪影響が懸念されていて、しかもどうしても禁煙できないという人には有効な手立てとなることだろう。


■関連記事:
【禁煙補助薬「チャンピックス」発売のファイザー、まずは自社で禁煙開始】

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