くいだおれ閉店波紋広がる・「くいだおれ太郎」の経済効果は17億円との試算も

2008年04月10日 08:00

くいだおれ太郎イメージ先に【「くいだおれ人形」の名物食堂「大阪名物くいだおれ」、7月8日で閉店】でお伝えしたように大阪名物・名所として名高い、道頓堀の食堂【大阪名物くいだおれ】の閉店が発表されてから一夜明け、そのマスコット人形こと「くいだおれ人形」(くいだおれ太郎)の処遇が気になる今日この頃。「くいだおれ」に関連したさまざまな動きが見受けられる。「くいだおれ人形」の経済波及効果が年間16億7000万円に登るという大学教授の試算も発表されるなど、今後の動向がますます気になるところだ。

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「くいだおれ人形」が年間17億円を稼ぐ!?

関西大学教授で主に関西方面の経済論やスポーツの経済効果の分析を得意とする宮本勝浩氏によると、「くいだおれ人形」の経済効果は年間16億7000万円にものぼるという(ソース:NHK、[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています])。概算は次の通り。

・「くいだおれ人形があるから店に来た」……30%(3月実施の聞き取り調査を元に算出)
・「大阪名物くいだおれ」に与えた経済波及効果……4億4600万円(年間の客数10万5000人、一人あたりの飲食費と「30%」から算出)
・地元商店街への経済波及効果……12億2400万円(観光客の60%以上が人形を見るために商店街に訪れる、その客の買い物額などから。商店街の売り上げ120億円のうち約1割が観光客の消費)

∴4億4600万円+12億2400万円=16億7000万円


宮本教授いわく「この金額は少なく見積もったもの。大阪のミナミ全体への効果はさらに大きい」とした上で、「くいだおれ人形」の損失は大阪経済にも大きな打撃を与えるとし、(店を閉店するとしても)人形を存続するべきであると提言している。

計算内容と額にどこまで確証性があるのかは定かではないが、「くいだおれ人形」のある無しで考えると少なからぬマイナスが生じるのは間違いあるまい。

経営譲渡の可能性も

同じく[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]や【なんば経済新聞】などによると、「大阪名物くいだおれ」の山田昌平社長らによって4月9日に行われた記者会見では「閉店までの間に企業からの引き受けの申し出があれば」という前提ながらも、営業譲渡も含めて検討していく意向があることを同社は明らかにしている。なお経営状態に関しては1990年がピークで来客数は70万人・売上高は14億4000万円に達していたものの、ここ数年は半減。一昨年と去年は2年連続で当期利益が赤字に転じていたという。

「くいだおれ人形」については産経新聞では「まだ何も決めていない」とだけ語り、明言を避けたという表記がされているが、なんば経済新聞では「引受け手などの申し出を待っている」「買取などの申し出はまだない」と記述されており、詳細が決まっていない感がある。また閉店の理由についても

「『くいだおれ人形』の写真を撮るだけで、お店には入ってもらえないことも多かった。取締役会で話し合って閉店を決めたというのではなく、お互いに閉店を意識していたことが、今年に入って明確になった」(おかみの柿木道子嬢)


という言及もあり、先に報じられたこと以外に複雑な事情もあったことがうかがえる。

また閉店日を7月8日にした理由は「毎年七夕の7月7日に『七夕会』として宴会をするお客がいるため」だという。また店舗のあるビルは自社ビルではないため、建物の今後については現在不明とのこと。


周囲の環境の変化などさまざまな事情はあるし、慈善事業でない以上、経営状態が立ち行かなくなり、経営陣のモチベーションが閉店に向かっているのなら、現状をくつがえすことは難しいだろう。大阪文化テーマパークのようなものがあれば、「大阪名物くいだおれ」ごとそのテーマパークが買い取り、「イベントブース兼食堂」としての存続も考えられる。しかし現状ではそれもかなわない。

それでもせめて「くいだおれ人形」だけでもなんとか存続させてほしいものである。例えば某Y興業あたりが買い取り、「名誉顧問」として就任させてくれないものだろうか。


(最終更新:2013/08/09)

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