花粉症による平均集中力低下率は約●割

2008年03月31日 08:00

花粉症イメージイギリス系製薬会社のグラクソ・スミスクラインが2月12日に発表した「花粉症に関する調査結果」によると、花粉症の症状が発生した時に薬の服用などの対処をしなかった場合、集中力の持続時間はどれくらい落ちるのかという問いに対し、四人に一人は「半分に落ちる」と回答していたことが明らかになった。花粉症患者の苦悩が見て取れるデータといえる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は1月22日から23日、20~39歳の花粉症の症状を持ち、かつ部下を持つビジネスパーソン412人を対象にネット上で行なわれたもので、男女比は1対1。年齢構成比は25~29歳が173人、30~34歳が117人など。

花粉症真っ盛りな今日この頃だが、各自薬の服用などさまざまな対処療法で少しでも症状を和らげる努力をしているはず。しかしもし仮に何の対応もせず、花粉症に真っ向から立ち向かっていたらどうなるか。集中力の面でたずねたところ、23.1%もの人が「5割減(半減)してしまう」と答えている。

花粉症のときに薬を飲むなど何も対処しない場合、集中力の持続時間はいつもより何割落ちると思いますか?
花粉症のときに薬を飲むなど何も対処しない場合、集中力の持続時間はいつもより何割落ちると思いますか?

「5割」の23.1%に次いで「3割」が21.6%、「4割」が14.6%という結果になっている。ちなみにすべての階層を投票率で乗算した上で平均値を求めると、44.0%という値が出る。つまり「花粉症の症状を薬などで抑えなかった場合の集中力の低下率は平均で44.0%」となるわけだ。

集中力の低下率がそのまま仕事効率の低下率とイコールになるわけではないが、花粉症の人たち、そして抱える企業、さらには日本経済そのものが大きな損失を受けていることに違いはない。

ちなみに【東京都の昨年9月の発表データ(PDF)】によれば、都民のスギ花粉症推定有病率は28.2%。11年前調査の19.4%と比べ8.8ポイント上昇している。また、少々古いデータになるが2000年の時点でスギ花粉症の患者は全国で1300万人にも達し、経済的損失は年間で2860億円(医療費1171億円、薬代など1088億円、労働損失601億円)という試算が当時の科学技術庁(現在は文部科学省など)から出されている(【引用元:慈恵医大耳鼻科の花粉症のページ】)。

根本的な解決法や特効薬がいまだに見つからず、「バケツからあふれ出る水」にたとえられるように誰もが発症のリスクを負っている花粉症。患者数も年々増加し、それと共に損失も少なからぬものになりつつある。また今回の調査項目「集中力」のように、直接数字には出ないものの、他のさまざまな領域に影響を及ぼしている。当事者はもちろん、企業、そして公的機関も本腰を入れて対策を練る時期に来ているのだろう。

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