地球温暖化防止は「牛のゲップ」から! 出光興産が牛のゲップを抑える天然素材を発見

2008年03月26日 06:30

牛イメージ【出光興産(5019)】は3月24日、北海道大学大学院の研究グループと共に、牛の胃の機能を改善し、地球温暖化の一因とされている牛のゲップを抑える天然素材を発見したと発表した。資料の利用効率の改善も期待され、2011年度には飼料の添加剤として商品化するためさらなる研究開発を進めるとのこと(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

牛の体内のエネルギー変換イメージ地球温暖化の一因とされているメタンガスの排出量は、全体の15~20%が牛の「ゲップ」によるものとされている。これは牛が飲み込んだ食べ物を再び口に戻してかみ砕く「反すう」過程において、もっとも重要な働きを占め胃の8割を占める第一胃「ルーメン」で多量のメタンが発生するためにおきるもの。

出光興産などは「カシューナッツの殻から抽出した植物油」と「酵母菌の一種であるシュードザイマが生み出すバイオサーファクタントと呼ばれる界面活性剤」の2種類の物質に、メタンの発生を9割減少させ、エネルギー源のプロピオン酸が25%増加する。つまりゲップを減らすだけでなく飼料のエネルギー効率が改善されることになる。さらにルーメン内のガス増加でおきる呼吸困難「鼓脹症」の予防効果も期待できる。

ルーメンなど牛の体内の胃の位置イメージ現在第一胃の機能を改善し、ゲップを抑えるためには抗生物質が使われているが、安全性の問題から使用そのものが禁止される方向にある。今回発見された物質は天然素材であるため、その観点でも有効な代替物質として期待されている。

牛のゲップが地球温暖化の一因であることは何度か耳にしたことがあるが、半ば冗談のように受け止めることが多く、メタンガスの2割ほどにも達しているという話は初耳。今回発見された天然素材の効果は、牛の病気を抑えることもでき、エネルギー効率の上昇も期待できるという一挙両得どころか一石三鳥のもの。

今回の研究成果が身を結んでも減るのは二酸化炭素ではないので、二酸化炭素の排出権に関与しないのが残念だが、その成果が実証されれば大きな評価と支持を集めるに違いない。今後の研究成果に期待したい。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ