老いても若きに負けじとブログに夢中・リアルは「健康」ネットは「趣味」

2008年03月21日 06:30

時節イメージCNETとgooリサーチが3月17日に発表したインターネット上のコミュニティサービスに対する調査結果によると、シニア層(60~79歳)においてもブログは人気が高く、次いでQ&Aコミュニティが高評価を受けていることが明らかになった。SNSやメーリングリストなどは機能が複雑で分かりにくいようだ。また、シニア層における現実(リアル)での対話とインターネット上でのコミュニケーションでは、対象テーマに大きな違いが生じていることも判明した(【発表ページ】)。

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今調査は3月6日から10日にインターネット経由で60歳~79歳のシニア層647人(男女比は49.2対50.9)、若年層20歳~39歳の男女596人(男女比49.3対50.7)に対して行なわれたもの。

現在利用しているコミュニティサイトの列挙では、シニア・若年共に「ブログ」が最も多かった。

現在利用しているコミュニティサイト
現在利用しているコミュニティサイト

一方若年層ではSNSや掲示板、口コミサイトなど多彩なサイトへの利用傾向が見られるのに対し、シニア層ではブログ以外は「Q&Aコミュニティ」がやや高い程度で、SNSや掲示板、口コミサイトなどは低調な結果に終わっている。シニア層は機能の充実性よりも、シンプルにネット上のコミュニケーションができることを優先しているようだ。

その仮説を裏付けるのが、次の「利用した経験のある機能」

コミュニティサイトにて利用した経験のある機能
コミュニティサイトにて利用した経験のある機能

「閲覧」「書き込み」が多いのは若年・シニアともに変わらないが、それ以外の機能において、若年層は多くの項目で30~50%をキープしているのに対し、シニア層は多くて3割弱、ほとんどが1割前後かそれ以下に留まっている。濃いだいだい色と薄いだいだい色との違いを見れば、いかに薄いだいだい色(シニア層)が「閲覧」「書き込み」において伸び悩んでいるかが分かるだろう。

「閲覧」と「書き込み」しかしないのなら、ブログやQ&Aで十分。それらのサイトなら「見て」「書き込む」だけで十分に利用・コミュニケーションが成立する。それ以外の色々な(そして「邪魔」な)機能が付随している「掲示板」や「SNS」などは、シニア層には「必要ない」と思われているのかもしれない。

ある漫画に「年を取ると同輩との会話は『健康』『勲章(自慢話)』『孫』の3つのテーマしかない」という言い回しがあった。簡単にコミュニケーションができるブログやQ&Aサイトでも、シニア層はこのテーマを交わしているのだろうか。

よく話題にしている分野比較(シニア層・コミュニティサイトと普段(リアル)の生活)
よく話題にしている分野比較(シニア層・コミュニティサイトと普段(リアル)の生活)

「旅行」や「仕事」はリアル・ネットと同じくらいの対象率だが、大きく異なるのが「健康」と「趣味」。リアル(現実)では「健康」に関する話題が非常に多いのに対し、ネットでは「趣味」がずば抜けて多い結果となっている。


自分と同じ趣味を持つ人が
近所にいない……

ネット上ならすぐにでも
探し、同じ趣味を語り合える

一時期シニア層にゲートボールが大流行したのは、簡単なルールで誰にでも出来、面白いことが最大の理由。しかしその一方で、「誰にでも出来る」ことから多くの人が理解し遊び、共通の話題として取り上げることができるから、という分析もある。

コミュニケーションをしたいのは老いも若きも同じ。しかしシニア層は雑多な機能を好まず、ストレートに・シンプルな意見のやりとりを望んでいる。さらに現実世界では同年齢層なら多かれ少なかれ問題を抱える「健康」の共通項を見つけるのは容易だが、「同じ趣味を持つ仲間」を見つけるのは難しい。

だからこそ、すぐに「自分の趣味仲間」を見つけることができる「コミュニティ」を好み、そこで自分の好きなことを思う存分語るのだろう。

あるいはシニア向けに、「近所の同好の士、見つけます」というマッチングサービス、そしてそれらのグループ・クラブ向けに簡単なSNSなり掲示板なりのサービスを組み合わせた、「シニア層向け『ネット版・お達者クラブ』」を作って提供すれば、多くの人が喜ぶかもしれない。

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