大卒予定者人気の就職希望先、トップはやはりあの世界的企業

2008年03月14日 06:30

時節イメージ毎日コミュニケーションズが運営している就職支援サイト【採用サポネット】が3月13日に発表した調査結果によると、2009年3月大学卒業予定者で就職希望先として人気の高い企業ランキングの上位には文系でJTBグループ、理系で[トヨタ自動車(7203)]がトップについた。JTBは去年一位を【資生堂(4911)】に譲っていたが、今年は一位の座を奪還したことになる。またその他にも一定の業界に人気が集中する傾向が見受けられる(【発表リリース】)。

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今調査は2007年10月1日から2008年2月11日までの間、2009年3月卒業見込みの大学3年生・大学院1年生に対して郵送による返信で行なわれたもの。その他にネット上でのデータ回収や就職関係のイベントでもアンケートの配布、回収が行なわれた。有効回答数は1万7153人分。男女比は49.1対50.9。文系・理系比は約12対5。就職間近な人たちにターゲットを絞って行なわれていることから、直近の就職人気ランキングデータとしては精度が高いものと思われる。

主なランキングは次の通り。

■文系総合
1位……JTBグループ
2位……資生堂
3位……【ANA(全日本空輸)(9202)】
4位……【三菱東京UFJ銀行(8306)】
5位……【JAL(日本航空)(9205)】

■理系総合
1位……トヨタ自動車
2位……資生堂
3位……【ソニー(6758)】
4位……【カゴメ(2811)】
5位……【シャープ(6753)】

■文系男子
1位……三菱東京UFJ銀行
2位……トヨタ自動車
3位……JTBグループ

■文系女子
1位……JTBグループ
2位……資生堂
3位……ANA(全日本空輸)

■理系男子
1位……トヨタ自動車
2位……ソニー
3位……シャープ

■理系女子
1位……資生堂
2位……カゴメ
3位……味の素


一般消費者の心境や株価の動向は景気回復どころか景気後退を如実に示しているが、企業そのものは回復基調を見せているところが少なくない。それに加えて団塊の世代が定年退職期を迎えて企業の人材が一挙に減るという「2007年問題」への対策もあり、企業側の新人採用意欲は高い。

今後の景気に対してはくだんのサブプライムローン問題に代表される金融信用不安や素材の高騰など、不安定・不透明要素が多いものの、業績好調の企業を中心に採用意欲は高止まりの傾向にある。リリースの表現を借りれば、「大学生を中心とした2009年卒の新卒採用市場はバブル期並の『売り手市場』となっている」。一方で対象となる学生においても、「大手企業志向」も顕著。

■2009年卒大学生の人気企業傾向
1.BtoCの著名大企業
2.文系は金融・商社・マスコミ
 理系は食品・電気・薬品・自動車

このような状況の中行なわれた就職先の人気企業調査の結果としては、文系総合・文系女子では「JTBグループ」が、文系男子では「三菱東京UFJ銀行」、理系総合・理系男子では5年連続で「トヨタ自動車」が、理系女子ではなんと14年連続で「資生堂」がトップについている。BtoC、つまり対顧客ビジネスの面で知名度が高く大規模な企業の人気が極めて高いのが分かる。

一方、業界別で見ると「文系」では100位以内に金融業界(11社)、総合商社(6社)、マスコミ業界(16社)で全体の3割を占めている。また「理系」では食品業界(18社)、電気/精密機器業界(14社)、薬品/化学業界(13社)、輸送用機器(自動車)業界(7社)で全体の5割を占めるなど、文系・理系それぞれで一定の業界に人気が集中する傾向がみえる。それらの業界は大学生から見れば「希望の持てる」「興味のある」「自分の人生を託せる魅力を持つ」業界に見えるのだろう(あるいは「安定している」「高給」という現実面もあるのかもしれないが)。

新人大卒の人気企業はそれぞれ「現状」における企業の勢いを示す、一つのバロメーターのでもある。それぞれの属性の学生たちが抱く想いが映し出されたランキングは、色々な面でも役に立つことだろう。

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