ドワンゴ、動画投稿サイト「ニコニコ動画」に関する著作権尊重意志をあらためてテレビ局側に申し入れ

2008年03月12日 08:00

インターネットイメージ【ドワンゴ(3715)】は3月11日、同社子会社のニワンゴが運営している動画投稿サイト「ニコニコ動画」について、著作権侵害動画に関する2方針「同サービス内における既存の著作権侵害放送番組動画はすべて削除する」「新規投稿動画の監視を行い著作権侵害放送番組動画については直ちに削除する」ことをテレビ局6局に対して申し入れ書の形で提示した。なおリリースではこの申し入れ書の提出で、ドワンゴとテレビ局間で何らかの提携関係が成立したわけではないと述べていることから、ドワンゴ側からの一方的なアピール・宣誓の意味合いが深いものと思われる(【発表リリース、PDF】)。

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提出先は日本放送協会(NHK)、【日本テレビ放送網(9404)】【東京放送(TBS)(9401)】【フジテレビジョン(4676)】【テレビ朝日(9409)】【テレビ東京(9411)】。今回の申し入れ書提出はあくまでも「あらためて」ということ。これまで何もしてこなかったというわけではなく、これまで動画への権利保護システムの適用や監視体制の強化、利用者への啓蒙を行なってきたと説明している。

また、【一部報道の追加取材】では、「宣誓」をきっかけに関連動画の削除や監視体制の強化、問題動画の排除システムの導入が行なわれたわけでもない、とのこと。この点でもドワンゴ側によるアピール色が濃厚だと考えられる。

なお「削除」対象となるのはそのまま著作権に絡むような放送番組を動画化したものだけでなく、加工動画(いわゆるMAD)も該当する。事実上ニコニコ動画は、これらの問題放送番組動画やMADによるアップロードで利用者数を増やしてきた面が強い。それだけに今回のリリースは、権利保有者側からの「監視強化してるというが実質ほとんど変わりはないではないか」といった反発に対する、牽制球のようなものともいえるだろう(逆にいえば、牽制球を投げねばならないほど、現状に危機感を持っているとも受け止められる)。

ただし牽制球はあくまでも牽制球。ランナーをアウトにできなければ、バッターに向けてボールを投げてストライクを取らない限り、情勢が変わる事はない。ドワンゴ側が「ニコニコ動画」の存在意義そのものを否定することにもなりかねない、「同サービス内における既存の著作権侵害放送番組動画はすべて削除」「新規投稿動画の監視を行い著作権侵害放送番組動画については直ちに削除」の方針をどのように具体的に実現していくのか、権利保有者などからの注目が集まることだろう。

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