【更新】テレビを見る時間は減った!? 1年前から「減った」が「増えた」を上回る

2008年03月01日 12:00

テレビイメージC-NETは2月29日、テレビ視聴に関するアンケート結果の一部を発表した。それによると、テレビを見る時間が1年前と比べて増加した人は19%だったのに対し、減った人は32%にも達していることが明らかになった。動画投稿サイトの浸透や趣味の多様化、テレビ番組の質の変化などからテレビ離れがささやかれているが、それを裏付けるとも受け止められるデータといえる([発表ページ])。

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今調査は2月15日と16日、自宅でテレビ番組を見る15歳以上のネットユーザー1000人に対して行なわれたもので男女比は1対1。年齢構成比は10代50人、20~34歳・35~49歳・50歳以上がそれぞれ100人・300人・300人・300人。インターネットユーザーであることから、「まったくネットを利用しない人」(=テレビのライバルといえる動画投稿サイトを利用しない人)が回答に参加していないことを考慮した上でデータを見る必要がある。

全体的に見て1年間でテレビを見る時間はどう変わったかという問いには、「変わらない」が半数を占めるものの、減ったが3割、増えたが2割となり、差し引きすれば「減った」傾向が見られる。

全体的に見て1年間でテレビを見る時間はどう変わったか
全体的に見て1年間でテレビを見る時間はどう変わったか

「減った」が「増えた」を上回るのはすべての年齢層共通の傾向だが、特に「男性より女性」「中高齢より若年層」の方がその傾向が強い。とりわけ10代の女性では過半数が、男性でも15~34歳のほぼ4割が「減った」と答えているのが注目できるところ。動画投稿サイトの利用層もどちらかといえば若年層の方が多い傾向にあるが、それがそのままテレビ離れと関連しているのだろう。

テレビは「ながら族」が多い

テレビを見る際の態度だが、かつての家庭風景にあったように「ちゃぶ台を囲んで家族みんながテレビに集中して視聴する」という状況はあまり見られなくなった。自分の行動を思い返してみればお分かりの通り、大抵において「何かをしながら」テレビを見ているはずだ。いわば環境動画、BGM的な扱いを受けることが多くなっているといえるが、それでは具体的にはテレビを見る以外にどのような「ながら」をしているのだろうか。

自宅でテレビを見る際に他にどのようなことをしているか
自宅でテレビを見る際に他にどのようなことをしているか

どの年齢層も「食事をしながらテレビを見る」と回答をする人がもっとも多く、7割前後を示している。しつけが厳しい家庭だとテレビを見ながら食事をすることなど言語道断という話もよく耳にするが、世間一般的には「テレビを見ながら食事をする」「食事をしながらテレビを見る」は日常茶飯事的な習慣になりつつあるようだ。

他にも「お茶やコーヒーなどを飲む」「パソコンでウェブサイトを利用する」「パソコンでメールを利用する」など、比較的集中しなくてもこなせる行動の際に、テレビを見ているのが分かる。ちなみに10代においては「携帯電話・PHSでメールをする」(39%)、「勉強・仕事をする」(37%)など、ある意味学生・若年層らしい回答が多かったという。……テレビを見ながら勉強や仕事をする、というのはいかがなものかと思われるが。


繰り返しになるが今アンケートは「インターネットユーザーを対象」にしている。よってネットを利用していない人の意見が反映されておらず、やや動画投稿サイトへの傾注度が高い、つまりテレビ離れを起こしている可能性の高い層の意見に片寄っている部分があるとも考えられる。しかしそれを差し引いても、「テレビを見る時間が減った」というデータは注目に値すべきもの。

特にネットへの抵抗感が少ない若年層が、テレビから動画投稿サイトなどのインターネット動画へ「視聴娯楽」の時間割り振りをスライドしつつある傾向が強い。これは先に【若年層ネット動画の普及でテレビ放送からの脱却進む・10代のテレビ視聴時間は6割まで低下】でもお伝えしたが、また一つ裏付けるデータが導き出されたといえよう。

また、他の行動をしながらテレビを見る人が多いという結果も出ているが、逆に考えて「ネット上の動画を見ながら他のことをする」シーンは考えにくい。動画を見ながらご飯を食べたり、テレビを見ることはあまりしない(データ上では「パソコンでウェブサイトを利用する」が5割近くと出ているが、ネットサーフィンなどが中心。動画を「見ながら」テレビを見るという器用なことは滅多にしないだろう)。

テレビが長時間コンテンツを流しっぱなしの「長期間拘束タイプ」であるのに対し、動画投稿サイトの動画は「一発芸的な短時間拘束タイプ」が多いことも一因だが、テレビとネット上の動画では注力度が違うように思われる。テレビやネットの主な収益源である広告のクライアント側から、「ながら見」と「集中して見る」の違いをどう受け止めるのか、その答えの一つが【2007年の広告費は7兆0191億円、インターネット広告は2割超の成長率・6000億円を突破】に現れているのかもしれない。


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(最終更新:2013/08/11)

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