ダイエット経験者は約7割、しかし成功者は……

2008年03月09日 12:00

ダイエットイメージキリンビールが3月3日に発表した調査結果によると、ダイエットをした経験のある人は全体の7割近くにのぼることが明らかになった。一方で成功した人は4割にも満たず、一旦は成功したものの体重が元に戻ってしまう「リバウンド」を経験した人が5割近くに達していることも判明した。健康維持には欠かせないダイエットだが、成功そのものよりも目標を達成してからその状態を維持する方が難しいようだ(【発表リリース】)。

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挑戦者は7割、そのうち成功者はわずかに3割強

今調査は2月12日から14日の間、ネット経由で20歳以上の男女を対象に行なわれ、有効回答数は3954人。男女比・年齢構成比は非公開。

ダイエットをした経験があるかどうかについて尋ねたところ、全体では67.0%、女性に限ると8割近くが「したことがある」「現在ダイエット中」と答えている。

ダイエットをした経験があるか
ダイエットをした経験があるか

やはり男性よりも女性の方がダイエット経験者は多いが、それでも男女共に約2割が「現在ダイエット中」と答えているのは興味深い。

しかしダイエットを経験しても、そのあと体重が戻ってしまう、つまりリバウンドしてしまっては意味がない。むしろリバウンドをすると体質的に「さらに」太りやすくなる、という話もある。ダイエット経験者のうち現在も成功の状態を維持している人はわずか38.1%。単純に失敗した16.6%もあわせ、6割強の人が結果的に挫折していることになる。

ダイエットに挑戦した結果
ダイエットに挑戦した結果

男性のダイエット意識は急上昇・健康と「メタボ」意識の高まりか

昨年あたりから良く耳にするようになった「メタボ」こと「メタボリックシンドローム(症候群)」や、今年の4月から開始される特定健康診査(特定健診)などのこともあり、ダイエットに対する意識の高まりはこれまでに無いほど高まっている。それを裏付けるのが次の調査結果。2年前のダイエット経験に関する調査との比較データだが、男性では60代以上以外すべての年齢層で、女性では50代で特に経験者が増えている。

男性のダイエット経験者比較
男性のダイエット経験者比較
女性のダイエット経験者比較
女性のダイエット経験者比較

男女での意識向上比率に違いが出ているのは、「女性がダイエットを怠っている」からではなく、「今まで少なかった男性ダイエット経験者が増えている」からに相違ない。先のデータにもあるように最新のデータでもダイエット経験者自身は女性の方がはるかに多い。さらに直上のグラフでも「上昇率」は男性の方が上だが、「経験者そのものの割合」は女性の方が相変わらず2~3割ほど高いことからも、お分かりいただけよう(縦軸・%の数字の割り振り方を見れば一目瞭然)。

男性のダイエット経験者の増加、つまりダイエット意識の強まりは、どうやら「メタボ」の言葉の普及に伴う「体重や体型と関連する自分自身の健康への意識の高まり」らしい。それが把握できるのが、「ダイエットしようと思ったきっかけ」。

ダイエットしようと思ったきっかけ(複数回答)
ダイエットしようと思ったきっかけ(複数回答)

非常に興味深いのは赤丸部分で強調されているように、男女でダイエットへのモチベーションに大きな違いがあること。「体重」「ぜい肉」は男女共通だが、指摘されれば「なるほどな」とうなづける要素として、男性は「健康管理」「体調」が、女性は「ファッション」がダイエットへの大きなきっかけとなっている。

ここ2年で男性のダイエット意識が急速に高まっていることと合わせて考えると、

「テレビや新聞、雑誌でメタボメタボと連呼される」

(→「健康診断の数字を見直す」「体調を見直してみる」)
(→「うわ、こりゃヤバい」)

→「健康管理しなきゃ」→「ダイエットしよう!」


という図式が想像される。

ダイエット手法は十人十色

最後に、成功したか否かを問わず「取り組んでいる(いた)」ダイエット手法について。「間食を止める」がもっともオーソドックスで得票も多いが、一方で運動系の手法は面倒であることや時間がかかることから、敬遠される傾向にある。

取り組んでいる・いたダイエット手法(複数回答)
取り組んでいる・いたダイエット手法(複数回答)

「間食を止める」「甘いもの・脂っこいものを控える」「1回の食事の量を減らす」が三大ダイエット手法として、男女共に君臨している。ただ、男性が「1回の食事の量を減らす」がトップなのに対し女性は「間食を止める」が一番であるあたり、ライフスタイルの違いがかいま見れて面白い。

一方、例えばジュースを止めてミネラルウォーターやお茶類に代える・データ調査元のキリンならではということで発泡酒に切り替えるなど、「糖質オフやカロリーオフの食品や飲料に切り替える」手法は男女共に普及している。しかし「ダイエットサポート食品の利用」は女性には浸透しつつあるものの、男性にはまだ一般的でないという結果が出ている。専用食品の利用は男性にはまだまだ抵抗感が強いのと、店頭で購入するのには気恥ずかしさがあるようだ。後者については通信販売で買えば良いのだけの話なのだが……。


Wii Fit諸外国で肥満を要因とする健康問題が深刻化していることが相次いで報じられ、メタボなどの言葉の普及、さらに今年4月から特定健診がスタートすることもあり、今までになく健康管理としての意味合いが強い「ダイエット」への興味関心は高まりつつある。『Wii Fit』がコンスタントに売れ続けているのも、多分にこれが影響しているといえよう。

【指の爪(つめ)で簡単に肥満遺伝子を判定できる技術開発、郵送検診キットとして発売】でも触れているが、人が肥満になる要素は十人十色どころか千差万別で、すべての人に通用するオールマイティなダイエット手法は存在しない。また、健康的な生活を送れる理想体重や体型も一人一人違うので、世間の風潮に流される形で無理にダイエットしても、かえって身体を悪くしかねない。自分が主にどのような原因で肥満体質(メタボ)にあるのかを確認した上で、効率の良いダイエット手法を用いるのがスリム化成功への道といえるだろう。

正直なところ、「取り組んでいるダイエット手法」のリストのトップ3「間食を止める」「甘いもの・脂っこいものを控える」「1回の食事の量を減らす」と、それに加えて「規則正しい食生活を心がける」をしっかりと確実に行なえば、多くの人はそれなりのダイエットに成功するはず。この4つなら、特に新しいアイテムや食品を買う必要も無く、時間もかからない。

要はダイエットとは「自分自身との戦い」である。「最大の敵は自分の内にあり」とはよく言ったものだ。


(最終更新:2013/09/07)

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