カワムラサイクルが「3人乗り」もできる四輪自転車「かるがも」開発

2008年03月11日 08:00

親子の自転車イメージ車いすの専用メーカー【カワムラサイクル(7311)】は3月10日、同社の子会社【ランドウォーカー】が四輪自転車「かるがも」を開発したと発表した。6月ごろから発売予定。価格未定(【発表リリース、PDF】)。3人乗り自転車として警察庁が安全性を確認し、許可を得る必要があるため、その確認が遅れると発売開始時期がずれこむ場合がある。

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従来道路交通法においては自転車の運転者自身の前方のカゴと、後方の荷台の双方に幼児を乗せる「3人乗り」は禁止されている。昨年末には警察庁が改めて「3人乗りは危険だからやってはいけない」とし、自転車の規則に明記する方針を公表。しかし母親から「子どもの送り迎えや買い物が出来ない」などとして容認を求める要望が相次いだため、3月4日には自転車業界団体に対し「3人乗り自転車」の開発研究を要請し、3人乗りの自転車利用を認める条件などを話し合う委員会を立ち上げる方向で話が進んでいる。

実際には道路交通法そのものが改定されるわけではなく、自転車の乗車定員を定める各都道府県の公安委員会による規則改正で対応する。そしてこの警察庁からの要請において「3人乗りを容認する条件は、ふらつかない安全な構造で、安定走行ができる自転車であること」と提示されており、この条件を満たす自転車の開発が急がれていた。

今回発表された「かるがも」は、

「四輪構造で安定した走行が可能」
「後方主輪の左右にある車輪にはサスペンションがついていて、安定性を保ちつつコーナリングや小回りが容易にできる」
「スタンドがなくとも自立するため、乗り降りが安全にできる・足を地面につけなくとも転倒しにくい」


などのメリットがあるという。

ランドウォーカーの既存自転車イメージランドウォーカーでは元々前輪を双輪にして安定性を高めた子ども乗せ用自転車を開発してきた。今回の警察庁からの打診に伴い、これまでのノウハウや経験を活かし、「かるがも」を打診に対する回答として世に送り出す予定。

「3人乗りのために安全な自転車を」という意気込みは他のメーカーも同様。すでに子どもを乗せるために前輪の小型化と重心の変更や子ども席の位置のスライドで安定化を目指した【ふらっか~ず】を商品化している丸石自転車でも、3人乗り自転車の開発に積極的な動きを見せている。

警察庁の打診が自転車業界と自転車を利用する母子にどのようなトレンド転換をもたらすのか。通常の自転車より高値になるのは仕方ないが、安全性の確保が図られるのは喜ばしいお話。3人乗り専用自転車を駆り、大手を振って(もちろん比ゆ的表現なので実際に手放し運転をしてはいけない)安心して親子での3人乗りが出来る日はそう遠くないうちにやってくるだろう。

■関連記事:
「三人乗り自転車」の安全基準公表・試作車は来春までに(2008/07/25)】

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