3世帯に1世帯以上が独り暮らし・4割が65歳以上……2030年の日本像推計

2008年03月15日 19:30

独り暮らしイメージ厚生労働省の政策研究機関である【国立社会保障・人口問題研究所】は3月15日までに、2008年における2005年から2030年までの日本の世帯数の将来推計結果を発表した。それによると、今から22年後の2030年の日本では、「3世帯に1世帯以上が独り暮らし」となり、「独り暮らしのうち約39.3%が65歳以上」という推計がまとまったことが明らかになった。研究所では高齢化や未婚傾向の増加が原因としている(【発表ページ】)。

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国立社会保障・人口問題研究所では5年ごとに日本の将来における世帯数を推計し、情勢の変化などをデータとして提供している。今回は2003年10月に実施した前回調査に続く最新データによるもので、2005年の国勢調査までの実質調査結果による世帯形成動向を元に将来へ延長、推測した。

概要は次の通り。

・総人口は2005年以降減少が続くが総世帯数は2015年までは増加、その後減少。
・平均世帯人員数は減少。
・世帯人数が減るのは「独り暮らし」「片親と子ども」が増加、「夫婦」「夫婦と子ども」「その他」が減少するため。


世帯数は2015年まで増加する
世帯数は2015年まで増加する
平均世帯数は継続して減少
平均世帯数は継続して減少

2015年までは「総世帯数」が増えるのが不思議だが、統計データを良く見るとそのからくりが分かる。世帯人数のところでも触れられているように、増加を続けているのは「独り暮らし(単独)」「片親と子ども」、減少傾向にあるのは「夫婦と子」「その他(祖父母なども含めた「3世代世帯」)」。そして2015年までは「夫婦のみ」の世帯も増える傾向にあるものの、それ以降は減少に転じることになる。これが引き金となり、「総世帯数」も減ってしまう。

2030年における推計上の日本の世帯構成像をざっと見てみると次の通り。

・1世帯の平均人数は2.27人(2.56人)
・独り暮らし世帯は1823万7000世帯、37.4%(1445万7000世帯、29.5%)
・核家族世帯は2512万2000世帯、51.5%(2839万4000世帯、57.9%)
・独り暮らし世帯のうち65歳以上は717万世帯(387万世帯)、独り暮らし世帯全体の39.3%(26.8%)
・   〃      75歳以上は429万世帯(197万世帯)、独り暮らし世帯全体の23.5%(13.6%)

※()内は2005年当時


世帯構成割合を図式化してみる。少子化・独り暮らしが増加しているのが分かる。
世帯構成割合を図式化してみる。少子化・独り暮らしが増加しているのが分かる。

ちなみに2005~2006年時のデータではあるが、世帯人員数は福祉で有名なスウェーデンで2.0人、イギリスでは2.4人、アメリカでは2.6人。単独世帯割合はスウェーデンで46%、イギリスで29%、アメリカで26%となっている。一般的に福祉システムが普及して高齢者が安心して暮らせる国や、晩婚化・非婚化が進む国で世帯人数が減り、単独世帯割合が増える傾向にある。日本は現状でカナダと同水準の世帯人員数・単独世帯割合だが、2030年には世帯人員数はノルウェーやスウェーデン、単独世帯割合もそれら北欧諸国のそれに近づくことになる。

これらの傾向は、平均寿命が伸びて高齢化が進むこと、結婚しない人やパートナーと死別した・離婚した人が増えることで、高齢者のみの少人数(特に独り暮らし)の世帯が増加する可能性を示唆している。

今回発表されたデータはあくまでも統計学上による推測データのため、確実にこのような傾向を今後20年余りでたどると断定することはできない。とはいえ、このような状況は国の活力や生産力という観点からすれば必ずしもプラスとはいえない。実現化した場合の備えと共に、(高齢化はともかく)離婚や未婚傾向の増加が何を起因としているのかをしっかりと把握し、その上での対策が求められよう。

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