たばこ購入用成人識別カード「taspo」の申し込み開始

2008年02月02日 12:30

たばこイメージ日本たばこ協会などでは2008年3月から順次、たばこの自動販売機において「成人識別たばこ販売機」に切り替える。新しい自販機の利用には成人識別ICカード「taspo(タスポ)」が必要になるが、その「taspoカード」の申し込みが2月1日から全国で始まった(【公式ページ】)。

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taspoカード導入は「未成年喫煙防止に向けた措置」

詳細は公式ページ以外に【日本たばこ協会の説明ページ】でも説明されているが、「taspo」による認証システムは「未成年者の喫煙防止に向けた取り組みの更なる強化の一環」として導入されるもの。すでに各地で試験導入が行なわれ、今回全国への自販機展開に先立ちカードの申し込みが全国的に行なわれるようになった。この自動販売機でたばこを買いたい人はあらかじめ自分が成人であることを証明した上でtaspoカードを申請。利用者は取得したカードを自動販売機の読み取り部分にタッチし、購入希望者が成人であることを明らかにすることで、はじめて購入できるようになる。

taspoカード導入器による購入プロセス
taspoカード導入器による購入プロセス

なお「taspo」を単に免許証のような承認カードとして使うだけでなく、独自の電子マネー(ピデル)をチャージしておくことで「承認カード+電子マネー」として用い、「taspo」だけで成人チェックと購入が可能となる。なお現状ではEdyやSuciaなど他の電子マネーとの共用性はない。

「taspo」カードの発行費用自身は無料、年会費も無料。ただし申請時に必要となる顔写真や本人確認資料の写しの調達は自費。また、有効期限は10年間で1人1枚まで発行。申請が面倒くさいという人のために、必要資料を持っていればその場で発行してくれるイベントバス「taspoバス」も運営されるとのこと。

ちなみにコンビニなどの店頭対面販売では店員が成人かどうかを確認した上で販売しているので、「taspo」は必要としない。

taspoカード導入でたばこそのものの販売環境が激変する!?

「taspoカード」対応型の自動販売機には最初から内部に組み込まれ、電子マネー「ピデル」を使えるタイプと、成人認証ユニットのみが取り付けられたようなタイプのものがある。前者と後者では購入までの順番が異なる(一体型では「お金投入」「商品選択」「カードをかざす」、取り付け型では「カードをかざす」「お金投入」「商品選択」)ことや、後者では「ピデル」が使えないなどの違いがある。

今回の「taspoカード」導入によって、「未成年者の喫煙防止に向けた取り組み」としては少なからぬ効果が挙げられることだろう。その一方、店頭販売におけるチェックへのさらなる取組強化も合わせて行なう必要が考えられる(自動販売機で買えなくなった層が店頭に流れる可能性もある)。

また、設置・運営コストの上昇や導入によって販売実績の落ち込みが予想される(未成年の購入が減る、という意味ではなく、成人でも面倒くささやカードを忘れることによる「購入機会」の喪失)ことから、採算が取れなくなるとして自動販売機そのものを店頭や街角から撤去する動きも一部で見受けられる。

「金融商品取引法」「改正建築基準法」(そしてまだ未施行だが証券税制の改定)など、規制強化によって業界そのものが萎縮し、本来の目的は果たせたものの、それ以上の弊害が生じてしまった、もっと他の良い方法があったのではないかという論議が交わされるような話が相次いでいる。「taspoカードの導入」がそれらと同じような経緯をたどることのないよう、願いたいものだ。

もっとも嫌煙派にしてみれば、たばこ業界そのものの縮小は願ったりかなったりな話ではあるのだが……。


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