「まだまだ食べられるのだ」バカボン一家と一緒に消費・賞味期限を学ぼう

2008年02月26日 08:00

わが家の食べどきルール もったいないこと していない?イメージ昨年前半に【不二家(2211)】の期限切れ商品の展開をきっかけに注目を集めた「賞味期限」と「消費期限」。食品の安全性を確保するために作られたルールだが、言い回しが似ていることもありすべての人が十分理解しているとは言いがたい。そこで管轄する官庁の一つ農林水産省では先日から、親しみやすい表現方法で「賞味期限」と「消費期限」についての解説を行っている。題して【わが家の食べどきルール もったいないこと していない?】。登場するのは赤塚不二夫先生の描く「天才バカボン」のバカボン一家だ。

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「賞味期限」と「消費期限」そのものは先に【「消費期限」と「賞味期限」の違いとは?】で解説した通り。やや乱暴な説明になるが「消費期限は口に出来るタイムリミット、賞味期限は美味しさの保証期間」。注意しなければいけないのは「賞味期限を過ぎた食品がすぐに食べられなくなる、というわけではない」こと。どちらにしても期限が過ぎたら食べずに廃棄すればいいのでは、と考えていると非常にもったいないことをしてしまう結果になる。

農林水産省側でもこの点については憂慮しているようで、1月末の時点でグラフなどを用い、「賞味期限 Best-before……おいしく食べることができる期限です。この期限を過ぎても、すぐ食べられないということではありません」「キーワードは「もったいない」です!」などと「賞味期限切れの食品をすぐに捨てるのはもったいないよ」と訴えるページを創設している(【食品の期限表示について】)。

しかしそれでも足りないと判断したのか、もっと多くの人に分かりやすく、親しみやすい形で知ってもらおうということで登場したのが今回の「バカボン一家」。農林水産省の公式サイトのトップページに違和感のあるバナー広告が掲載されていたので、思わずチェックしてしまった。

記事執筆時点での農林水産省公式サイトトップページ。目立つ、という意味では大成功のバナー。
記事執筆時点での農林水産省公式サイトトップページ。目立つ、という意味では大成功のバナー。
内部ページではバカボン一家のカットと共に、「消費期限」と「賞味期限」の違いが解説されている。
内部ページではバカボン一家のカットと共に、「消費期限」と「賞味期限」の違いが解説されている。

官公庁の公式サイトのすべてにおいてこのような漫画やイラストで説明が行なわれるとなると、威厳や格式の問題から反対する意見が多数を占めるに違いない。ただ今件のように、消費者に直接関係するような事象に対し、多くの人にぜひとも知って欲しい、理解して欲しい物事については、「手段の一つ」として用いるのもアリなのだろう。

例えば防衛省でも毎年防衛白書の漫画版「まんがで読む防衛白書」を公開している(【最新版はこちら】)。また子ども向けのコンテンツでは分かりやすく説明するために多くのイラストや漫画が用いられている。このようにオリジナルの漫画を用いるにせよ、今回の「消費期限」「賞味期限」のように既知のキャラクターに語ってもらうにせよ、「多くの人に分かりやすく説明しよう」という心がけは高く評価するべき。今後格式などに配慮をしつつ、「親しみやすい」官公庁を目指してほしいものだ。


(最終更新:2013/08/11)

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