「モスドーナツ」の誕生も!? ダスキンとモスフードが資本・業務提携

2008年02月21日 08:00

モスとミスドの提携イメージドーナツチェーン店「ミスタードーナツ」を展開する[ダスキン(4665)]と【モスフードサービス(8153)】は2月20日、資本・業務提携契約を締結することを発表した。株式の持ち合いも含めた本格的な提携を行なうことで、両社間の業務についての効率化と事業の拡大を目指す(【発表リリース、PDF】)。

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リリースによれば、市場の成長率の鈍化や原材料の高騰、消費者の食に対する安全などへの関心の高まりを受け、厳しさを増す外食産業の環境を鑑み、両社としては「それぞれの得意分野や経営資源を有効活用することにより、既存のお客様には販売促進の連携などにより付加価値向上を図ることを目的」とし、今回の提携に至ったという。同時に新業態や新商品開発にも積極的に取り組み、新規顧客の獲得にも力を入れるとのこと。要は「手を合わせて無駄な部分をなくして効率化を進めて既存の顧客離れを防ぐと共に、新しいお客を引きつける魅力を創造しよう」というもの。

今回の業務提携による提携概要は次の通り。具体的には今後設立される委員会で協議していく。

(1)販売促進
両社の強みを活かした共通の販促手法の相互利用を検討する。
(2)オリジナル商品の共同開発
共通のオリジナル商品を共同開発する。
(3)品質管理
両社の衛生管理、品質管理システムノウハウの共有を図る。
(4)購買
共同購買することで、コスト削減を図る。
(5)物流
共同配送を促進することで、物流システムの効率化を図る。
(6)共同展開
1.両社の出店情報及びノウハウを活用し、共同出店を図る。
2.両社の加盟店による出店の促進を図る。
3.東南アジアを中心とした海外展開に関する戦略の共有と実行の連携を検討する。
(7)業態開発
カフェ等の新業態を共同開発する。


また、業務提携を確かなものとするため、資本提携も行なう。具体的には ダスキンがモスフードの株式の4.10%を第三者割り当てによる自己株式処分で取得。モスフードもダスキンの株式の1.55%を上限として市場買い付けなどで取得する。なおリリースに言及がないことから、現在経営統合の検討は行なわれていない。

今回の提携で記者会見した両者社長はそれぞれ、

ダスキン:伊東英幸社長
「モスバーガーのトップクラスの食の安全に関するノウハウを学びたい」

モスフード:櫻田厚社長
「モスは主食、ミスタードーナツは軽食が中心。掛け算のように顧客にとってプラスになることができる」
「ミスタードーナツのオペレーションを学びたい」


とコメント。両社とも自社の弱点をしっかりと把握し、提携相手がその弱点を克服する長所を持っていることを認識していることが分かる。

現在ミスタードーナツでは1294店舗、モスバーガーでは1425店舗を展開している。2007年3月期における両社の売上高はダスキン(※ミスタードーナツのみにあらず)が1937億9000万円、モスフードが598億9000万円。営業利益は約10倍、経常利益は約7倍、純利益にいたっては約40倍がある。規模的にはダスキンがモスを飲み込むような形に見えなくもないが、両社の提携で掛け算どころか累乗計算的な効果が発揮されることを期待したい。

消費者にとって気になるのは「オリジナル商品の共同開発」「カフェ等の新業態を共同開発」の部分。記事のタイトルにある「モスド」や「ミスフ(ミスターフーズ)」のような名前ではないだろうが、これまでミスドにもモスにもなかったような新しいスタイルの店や商品が登場する可能性は高い。特に「カフェ等」についてはマクドナルドが先行している感もあり、今後の具体的なプランが気になるところ。少なくともポン・デ・ライオンがモスバーガーを「もきゅもきゅ」と食べるシーンは、そう遠くないうちに見られるようになるだろう。

また、ファストフード業界ではトップを行くマクドナルド側がどのような姿勢を見せるのかにも注目が集まるところである。

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