トヨタ、新型高級車に居眠り事故防止機能を導入

2008年02月19日 08:00

進化したドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステムイメージ[トヨタ自動車(7203)]は2月18日、同社の高級車シリーズ「クラウン」のフルモデルチェンジを発表した。その新型モデルにおいて、運転手の眼の開閉状態をチェックして居眠りをしているかどうかを確認し、衝突など問題の可能性がある時には警報音やブレーキの自動作動などが行なわれる「居眠り事故防止装置」こと「進化したドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステム」を導入していることが明らかになった(【発表リリース】)。

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今回発表されたのはクラウンの通常シリーズが「ロイヤル」「アスリート」の二種類、ハイブリッドタイプが一種類の計三種類。それぞれエンジンなど細かい部分で多数の系統車両に分類される。価格は368万円~619万円(リサイクル料金は別途)。

今回発表されたクラウンの新モデル
今回発表されたクラウンの新モデル

同車にはナビゲーションシステムと停止情報、減速支援などの「ナビ・ブレーキアシスト」や「緊急ブレーキシグナル」など安全性能・車両安定性などにさまざまな先端技術が用いられている。中でも注目されているのが、居眠り防止用の「進化したドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステム」。

元々トヨタの一部車両には「プリクラッシュセーフティシステム」として、ブレーキの踏み込み速度やミリ波レーダーを用いた車両周辺の対象物との衝突可能性を検知した上で、ドライバーへの警告とブレーキ動作のサポート、特殊シートベルトの巻取りで乗員の安全性を高める機能が導入されている(【「プリクラッシュセーフティシステム」説明ページ】)。

今回新規に導入された「進化したドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステム」の「進化したドライバーモニター付き」の部分は、ハンドル近くに取り付けられたドライバーモニターカメラ(近赤外線LEDを6個内蔵)を使いて運転手のまぶたの動きや顔そのものの向きから、居眠りしているかどうかを検知するもの。運転手が居眠りをしているのではないかと判断できるようなまぶたの動きをしていた場合、警告音を発して「起きる」よううながしたり、既存のプリクラッシュセーフティシステムと連動してブレーキが自動的にかかる仕組みになっているという。

ドライバーモニターカメラが運転手のまぶたや顔の向きをチェックし、居眠りなど「運転ができない状態」にあった場合に警告音を発したり自動ブレーキがかかる
ドライバーモニターカメラが運転手のまぶたや顔の向きをチェックし、居眠りなど「運転ができない状態」にあった場合に警告音を発したり自動ブレーキがかかる

具体的な「居眠り事故防止装置」の仕組みは【1月22日に発表されたリリース】に記載されている。これを見ると迫り来る「そのとき」に向けて、警告音、ブレーキ準備と短時間の警告的ブレーキ準備、そして本格ブレーキ・シートベルトによる拘束という順で、ステップを踏んで対策が打ち出されていくことが分かる。

車外センサーを用いて衝突の可能性を知らせたり自動ブレーキがかかる仕組みが搭載されている自動車は、国内外を問わずこれまでにも数多くの種類で発売されている。しかし運転手のまぶたや顔の向きなどから「居眠り」をはじめとする「運転し難い状態」にあることを感知し、警告やブレーキ準備、自動ブレーキやシートベルトの作動などを行なう仕組みはあまり聞いたことがない。

一部報道によればこれらの安全装置をすべて導入すると、普通の自動車では50万円近い経費がかかるという。これを高いと見るか安いと見るかは個人の判断に任されるが、安全の確保がお金で担保できるのなら安いと考える人は多いだろう。

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