【更新】「基礎年金は全額税金」「消費税を財源」「既支払分は+α支給」麻生氏が中央公論に論文

2008年02月12日 06:30

麻生太郎氏イメージ[読売新聞]が伝えるところによると、2月9日発売の『中央公論3月号』において自民党の麻生太郎・前幹事長が年金問題に触れ、「基礎年金は全額税金で負担。その財源を消費税でまかなうために消費税率を10%に引き上げる」という主旨の年金改革案を提示していることが明らかになった。

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元記事などによると掲載されている論文は「これが安心を取り戻す麻生プランだ」。麻生氏が提示した改革案の骨子は次の通り。

・基礎年金は全額税負担。
・新たに「年金保険料税」を取るのではなく、消費税率を10%に引き上げて財源に充てる。
・厚生年金部分は事業主の保険料半額負担を無くす。負担軽減分は賃上げに回すようにうながす。
・これまで保険料を納めてきた人には「+α」の支給。


[社会保険庁の公的年金の解説ページ]に、現行制度の年金の仕組みを示す詳しい図版があるので転載しておく。

現行の公的年金の仕組み。
現行の公的年金の仕組み。赤丸で囲まれた部分が今回「消費税の引き上げで完全に公的サービス化する」と主張されている基礎年金部分。ちなみに(※)部分は公的年金は無いが、私的年金制度として【小規模企業共済制度】などがある。

この赤丸で囲まれた国民年金(基礎年金)部分を、麻生氏のプランでは完全に公的サービス化する、というものだ。

今プランのメリット、デメリットをざっと考えると次のようになる。

■メリット
・「問題児」たる社会保険庁そのもの(少なくとも年金部局)が不要になる
・年金制度の保証が現行よりは確かなものになる
 (国民年金保険料の不・未払いが無くなる→財源の安定性確保)
・消費税率はアップするが年金保険料(約月1万4000円)の負担が減る(直接・間接的に)ため、「消費が大きく冷え込む事は無い」
・これまで年金保険料を支払ってきた人にアドバンテージを設けるため、不公平感は少ない
(年金制度切り替え論で必ず問題視された「払い損」者が無くなる)

■デメリット、問題点
・事業主の負担軽減分が賃上げに反映されるかどうかを保証する仕組みが必要
 →企業がフトコロに納めてしまう可能性がある。その場合は「企業優遇・民間冷遇」となる。
・財務省に今件関連の部局の新設が必要
・消費税率10%で過不足は無いのか。将来際限ない消費税率アップの言い訳に利用されないか。無駄使いはされないか
・既支払い者への「アドバンテージ」の具体案


この案は既存の自民党による改正案というよりは、民主党案や1月7日付け朝刊で[日経新聞が提示した私案]に近い。後者私案は「意見を募集中」とあり広く知らしめるべきなのに[無料とはいえ会員登録しないと閲覧できないという]非常に馬鹿げた話ではあるが、[山崎元氏のダイヤモンド上の連載による感想]などを見ると、ほぼ同じに読める。

「消費税が徴収しやすい税だからと、年金とイコールで結びつけるのはおかしい。むしろ公的サービスとして認識するのなら、所得税や法人税で対処すべきでは」という意見もある。それぞれの事例について、詳細で公平なシミュレートが必要になるだろう。

しかし少なくとも、現状の問題点を認識した上で単に消費税などのアップといった負担増を求めただけではなく、メリット(基礎年金保険料独自徴収の廃止だけでなく既支払い者へのアドバンテージ)も提示した点で非常に興味深い私案であることは確か。

週明け以降、どのような意見が交わされ、動きがあるのか注目したいところだ。


(最終更新:2013/09/07)

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