先行きに対する悲観的な見通し…野村證券(8604)、2008年1月計測分の個人投資家動向を発表

2008年02月06日 06:30

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は2月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年2月発表分、PDF】)。投資家の先行き・見通しを表す指数が過去最低を更新するなど、悲観的な見方が広がった状況がうかがえる。

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今調査は1000件を対象に1月22日から23日に行われたもので、男女比は71.9対28.1。年齢層は40歳代がもっとも多く30.0%、ついで30歳代が27.2%、50歳代が22.8%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く26.6%、ついで500万円~1000万円が20.4%、200万円未満が19.7%と続いている。

1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く24.0%を占めている。次いで1年から2年未満が22.4%、6か月から1年未満が15.8%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く48.5%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が26.1%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は過去最低を更新。先行きに対する悲観的な見通し。
・株式取引を「増やしたい」との意向が増える兆し。
・国内景気や企業収益の要因などあらゆる項目で株価に対して「ややマイナス」ととらえる見方が。
・魅力的な業種は3か月連続で「医薬品・ヘルスケア」がトップ。
・2008年に投資したい市場は日本の主要市場がトップ。もっとも投資したくない先は北米。


という形に。現実問題としてこの調査が行われた時期は株価が急落を続けた時期であり、投資家の投資心理がネガティブに働いている面が大きい。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、上位5銘柄のうち4銘柄については変わりなく(順位の変動はあり)、第四位に[ソフトバンク(9984)]が再びランクインしている。とはいえ近似順位との得票差はほとんどなく、誤差の範囲と考えられる。どちらにしても上位陣銘柄に変化はあまりないということだろう。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[任天堂(7974)]
3位……【東京電力(9501)】
4位……[ソフトバンク(9984)]
5位……【ソニー(6758)】


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。上位に位置する銘柄であろうと得票差にはさほど違いがなく、誤差の範囲で順位が変動する可能性はある。が、トップの[トヨタ自動車(7203)]と第二位の[任天堂(7974)]は相変わらずこの位置をキープし続けている。ただ最近任天堂の株価が短期的には天井をつけたようで下降気味であるためか、回答数が以前より減少し、第三位以降との差がほとんどなくなっている。株価次第では次回以降上位第二位以降の順位変動があるかもしれない。

今年に入ってからも株価の軟調さは続き、上位のこれら銘柄も少なからぬ痛手を受けている。下げている状況を「しばらくは上昇が見込めない」と見るのか、踊り場と見て「買い時だ」と判断するのか。次回の発表に注目が集まるところだ。

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