マイクロソフト、アメリカのヤフーに「正式に」買収提案~446億ドル(約4兆7000億円)で

2008年02月02日 12:30

株式イメージ米マイクロソフトは1月31日、本家の米ヤフーに対し、正式に買収を提案したと発表した。買収額は446億ドル(約4兆7000億円)。今回は噂話ではなく「正式リリースによる公示」(【発表リリース】)。今件についてヤフー側では正式に提案を受けたこと、取締役会で慎重、かつ迅速に検討し、株主にとってもっともよい行動を出せるようにするとコメントしている(【発表リリース】)。

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マイクロソフトによるヤフーの買収は、2006年末から2007年初頭にかけて、さらに【米マイクロソフトがヤフーに買収攻勢、海外メディア報じる】で報じたように2007年5月にアプローチをかけていたことが報じられている。今回は正式なリリースによる提案であること、ヤフー側でも「慎重に検討する」など全否定ではないことが注目に値する。

今回の買収額は446億ドル。具体的にはヤフー株主に対し、マイクロソフトの株式か現金、あるいはその双方の組み合わせで買収を提案。ヤフー株1株あたり31ドルで交換(あるいは買い取り)をすることになる。この31ドルという値は、1月31日のヤフー株式の終値19ドル18セントに対し61.9%にプレミアがつく計算。

仮に合併がなるとすると、ネット事業の売上は両社で年間94億ドルに達し、この業界最大手のグーグルの売上の6割程度に迫ることになる(comScore Media Metrix調査によれば現在北米でのネット検索事業のシェアについてグーグルは約60%、マイクロソフトとヤフーが合併すれば33%に達する)。また単純にシェア比ということだけでなく、「世界最大のソフト会社」のマイクロソフトと「ネットサービスの草分けにして知名度ナンバーワン」のヤフーが経営統合を果たせば、ネット業界だけでなくITそのもの業界に大きなインパクトを与えるだけでなく、勢力図が大きく変化を遂げる可能性が高い。

一方、マイクロソフトによるヤフーの買収提案は、ネット上の広告ビジネスにおいて単独ではグーグルにかなわなかったため、とする意見もある。マイクロソフトでは2007年5月にネット広告会社aQuantiveを買収した。しかしグーグル側でもダブルクリックの買収、さらには携帯電話の共通プラットフォーム「Android」を発表し、携帯電話向けの広告分野でもグーグルが大きくアドバンテージをとる可能性が高まった。

いわば今回のマイクロソフトによるヤフーへの買収提案は、ネット広告という分野で考えると「このまま単独で走っていてもグーグルに追いつくどころか距離が離れるばかり」であり、「選ばねばならぬ選択肢」だったといえる。実際、マイクロソフト側のリリースにおいても「ヤフーに対して多大なる敬意を持っている。そして消費者や出版社、広告主に対して競争するより手を結んだほうが、よりよいサービスの提供を行なうことができる」「オンライン広告市場は加速度的に発展している(2007年の400億ドルから2010年までに800億ドルに達するだろう)。現在この市場は'一人のプレイヤー'に支配されつつある。マイクロソフトとヤフーが手を結べば、激しく、そして正しい選択肢の提供を顧客に行なうことができる」など、オンライン広告に関する言及が何度となく行なわれている。

ヤフーの買収でマイクロソフトの思惑通りになるのかは未知数。しかし大きな影響と競争の激化をもたらし、少なくとも寡占状態よりは妥当な状況を生み出しうるものと思われる。

なお米ヤフーの株価は今回の発表を受け、買い取り公示価格の31ドルに迫る勢いで急進。直接関係はないものの、日本でもイー・トレード証券などで行なわれてるPTS(夜間私設取引)において今件発表が報じられた20時前後からヤフー株式は急騰、結局ストップ高の4万6000円(基準値4万2000円)で取引を終えている。


(最終更新:2013/08/14)

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