【更新】「罰金最高3000万円」「海外送信も摘発対象」迷惑メール防止法改正案まとまる

2008年02月12日 06:30

迷惑メールイメージ[読売新聞]やNHKなどが伝えるところによると、迷惑メールへの規制を強化する特定電子メール送信適正化法(迷惑メール防止法)改正案の内容が2月10日までに明らかになった。現行の罰金が最高100万円だったのに対し3000万円まで上限を引き上げ、業者に送信を委託する「摘発逃れ」手法にも法の網をかぶせる。総務省側では2月中にも国会に提出し、2008年中の施行を目指すという。

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一般には受信者の承諾なしに一方的に送りつけられる迷惑メールだが、【日本データ通信協会】の試算では、迷惑メールに対処する時間を社会的な損失に換算すると最低でも年間7000億円の損が発生するという([関連記事:読売新聞])。これらの迷惑メールは出会い系サイトやクリック詐欺サイトなどに誘導して収益を得るのが目的だが、最近では日本国内からではなく中国や韓国など海外に送信拠点を移している。そのため、日本の捜査権限が及ばなかったり手続きに手間取ったりで摘発が困難となり、迷惑メール送信で摘発が出来たのは今までに3件に過ぎないという結果。

最近では

・海外にパソコンを設置し、日本国内から迷惑メールを遠隔操作で送信。
・送信そのものを別の海外送信業者に依頼(依頼だけでは現行法は対象にならないため)。


など、さらに法の網を潜り抜ける手法が多用されているとのこと。

これらの状況に対し総務省が提示する改正案の骨子は

・相手の承諾がないまま「一度でも」宣伝用メールを送った場合は迷惑メールと認定。処罰の対象
・一度受信の同意を得ても、途中で断られればそれ以降は禁止
・送信者に氏名や名称、連絡先メールアドレスの明記や、送信同意の手法の記録を義務付ける
・罰金上限を100万円から3000万円に引き上げ(アドレス偽装メールや総務省の改善命令に従わなかった場合)
・海外の業者に送信委託した場合も総務省の立入検査と停止命令、従わない場合は摘発
・発信元の国の当局が取り締まれるよう、メール送信をしたパソコンの各種情報を該当国に提供できるようにする


などとなっているという。

迷惑メールもビジネスで行なっている。【GIGAZINE】でも掲載されていたが、スパムメールを送るスパマーたちの月収は平均で77~108万円とのこと。これは海外の場合だが、日本の相場も近いものがあるかもしれない。しかしその「ビジネス」のリスクやコストパフォーマンスのハードルが今回の法律改正で高まれば、彼らはそろばん勘定で迷惑メール送信を止める可能性は出てくる。つまり罰金を上げて彼らのリスクを高めれば、それだけ抑止効果が高まるというわけだ。

「上限3000万円」といっても、法律上罰金の上限が適用される場合は滅多にない。3000万円失うリスクがあってもそれ以上儲ければ問題なし、と考える業者もいるに違いない。その点を考慮すると(他の法律とのバランスもあるが)3000万円という中途半端な額ではなく、1億円でも10億円でも、あるいは【迷惑メール送付業者に112億ドルの支払命令】の事例にもあるように送信したメール数に比例して上限無く設定するべきであるし、該当法人だけでなく首謀者個人に対しても相応のペナルティを課すべきだろう。

もっとも仮にこれで日本語の、あるいは日本人業者による迷惑メールが減ったとしても、他国言語の迷惑メールまで減るわけではない。最近では英語に留まらず、ドイツ語、ロシア語、韓国語などメールの文面もワールドワイド化している。各種フィルターを使っても良いが、あの高性能フィルターで名を知られているGmailですら3%前後の割合で「必要なメール」まで削除してしまうという話を聞くため、利用できないでいる。

こんな業界までボーダレスにならなくともよいのに、と思いながらスパムメールを一通一通削除しなければならない日は当分の間続くのだろう。


■関連記事:
【10通メールが来たら5通以上はスパムメール。迷惑メール事情】

(最終更新:2013/08/13)

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