侵入者対策にイタリアの空港が雇った警備「員」とは

2008年01月10日 08:00

イヌワシイメージ【BBC News】が伝えるところによると、イタリア南部の港湾都市にある【Bari空港】において、野生動物から空港を警備するために、Cheyenneという名前のイヌワシを雇用したことが明らかになった。1羽で1万5000ドルの経費がかかっているが、空港関係者の話では「空港が受けている損失を考えればこれでも安いほうだ」と述べている。

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Bari空港では夕方以降夜半において、周囲に多くのネズミやうさぎが現れ、それを獲物とするキツネも数多く姿を見せる。そのキツネたちが空港内に侵入することで、過去何度と無くBari空港では滑走路を一時的に閉鎖しなければならない事態におちいっていた。同空港は一年間に200万人もの人が利用する、かなり利用頻度の高い空港。キツネの侵入による滑走路の閉鎖は、非常に「痛い」話。

今回Bari空港が採用したのは、空飛ぶハンターこと「イヌワシ」Cheyenne嬢。元々イヌワシはローマの軍勢のシンボルマークだっただけに、「ローマ軍のシンボルが空港の環境改善にも一役買う」として注目を集めている。

このイヌワシはドイツで育てられた生まれて6か月のもので、翼の大きさは2メートル、体重は18キロにも達している。そして50キロ近い獲物まで捕まえて、持ち去ることができるという。Bari空港のお邪魔者であるキツネたちを狩るには十分すぎるパワーといえよう。空港関係者側は彼女がハンティングという仕事を果たし、空港周囲に住むキツネ達が彼女を怖がって、空港に近寄らなくなることを望んでいる。すでに彼女への訓練は終了。一週間後にはテストが開始されるとのこと。

アメリカでは類似の状況の際に、超音波やワナなどで対応している場合が数多く見られる。ただし今回のようにイヌワシを空港警備に雇って「侵入者」を撃退するという手法は初めてではないかと元記事では伝えている。

人間とキツネとの間には会話が成立しないので、「危ないから近寄らないで」と看板を立てたり説教をするわけにもいかない。キツネにしてみればたまったものではないお話だが、空港関係者はもちろん、長い目で見ればキツネにとっても(周囲をすべて整地されて狩り場そのものを無くさせるなどの手法よりは)プラスとなることだろう。

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