インフルエンザだけじゃない? 子どもの感染症患者が増加中との話

2008年01月02日 19:00

医療イメージ先に【来年初頭はインフルエンザに要注意】で今年2008年はインフルエンザが例年にも増して流行しそうな雰囲気であることを伝えたが、その記事の作成過程で気になる報道が目に留まった。北海道新聞の【子どもの感染症患者じわり増加】というものだ。青森県内での話とのことだが、全国レベルではどのような状況なのだろうか。

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概要をまとめてみると、インフルエンザだけでなく子どもの感染症も増加が目立っているという。大まかな病名を挙げると、「咽頭(いんとう)結膜熱=プール熱」「水痘(みずぼうそう)」「A群溶血性連鎖球菌咽頭炎」の三つが顕著だという。中でも咽頭結膜熱については青森県の患者数は過去五年間の平均を5~10倍上回っているとのこと。水痘も昨年12月21日にはむつ保険所管内(青森県の一部)で警報が発せられている。

青森県では上記の様相らしいが、全国区レベルではどうなのか。それぞれについて先のインフルエンザ関連の調査の際に使用した、感染症情報センターの定点データを調べてみた。幸いにも3タイプすべてが五類感染症のうち週単位で報告される定点把握疾病に該当するため、過去10年間の全国レベルでのデータが用意されている(【該当ページ】)。なお、すべてのグラフにおいて太い赤線が最新データ(2007年分)。

咽頭(いんとう)結膜熱=プール熱

咽頭(いんとう)結膜熱=プール熱
咽頭(いんとう)結膜熱=プール熱

51週目時点では過去十年間で4番目の多さ。多いといえば確かに多いが、去年や一昨年よりは少なめであり、全国レベルでは「例年以上に大流行」というものではないようだ。

水痘(みずぼうそう)

水痘(みずぼうそう)
水痘(みずぼうそう)

元記事本文でも「例年並」とあるように、突出して増加しているようには見えない。むしろ過去十年間においては少なめに見える。このまま時間が経過し、2~3週間後に他の年同様減り始める傾向を見せたら、一安心かもしれない(ただし年によっては次週以降に急増するパターンもあるので注意は欠かせない)。

A群溶血性連鎖球菌咽頭炎

A群溶血性連鎖球菌咽頭炎
A群溶血性連鎖球菌咽頭炎

今回例示された3種の中では、一番マイナーだが一番問題視するべきデータが出ているのがこちら。グラフを見ればお分かりの通り、2006年・2007年と報告数が急増している。2007年は2006年ほどではないが、過去十年間の中ではもっとも多い部類に含まれることに違いは無い。

今日から出来る簡単予防法
・手洗い
・うがい
・体調管理

「A群溶血性連鎖球菌咽頭炎」とは詳細は同じく感染症情報センターの【専用コーナーに説明されている】が、簡単にまとめると子どもに多く見られる感染症で、2~5日の潜伏期間を経て、発熱と倦怠(けんたい)感、咽頭痛などを発症する。風邪の症状にも似ているが発疹や舌の変化などから、風邪と異なることが分かる。

いずれにせよ、感染症の拡大を防ぐには「人が集まるところを避ける」「おかしいな、と思ったら医療機関で検査」「感染者との密接な接触を避ける」そしてなにより「うがいや手洗いをしっかりと行なう」ことが重要。日頃のちょっとした心構えが、自分自身はもちろん、周囲にも大いにプラスになる。特にうがいや手洗いは日常習慣化するにこしたことはないだろう。

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