百貨店の売上高、11年連続して減少中

2008年01月20日 12:00

百貨店イメージ【日本百貨店協会】は1月18日、全国278店舗の2007年1年間における売上高を発表した。それによると去年1年の売上は7兆7052億2525万円で、一昨年2006年と比べると調整後で0.5%の減少となった。前年比売上高マイナスはこれで11年連続したものとなる(【発表リリース】)。

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今回発表されたのは、日本全国93社278店舗の百貨店の2007年一年間に関する売上高。公開されている過去11年間のデータは次の通り。

過去11年間における百貨店の売上高と対前年増減率
過去11年間における百貨店の売上高と対前年増減率

2007年は7兆7052億2525万円で、これは前年2006年が7兆7700億4423万8000円だったのに比べると-0.5%の減少(店舗数調整後)となっている。一時期の前年比5%減と比べればかなり減少幅は少なくなっているし、2006年の-0.7%と比べれば減少幅は縮小しているものの、11年間連続して売上高が減少していることに違いはない。

商品別売上高を見てみると、大まかなところで

・婦人服、用品……-2.3%(24.6%)
・美術、宝飾、貴金属……-2.7%(5.0%)
・家具……-1.5%(1.6%)
・家電……-6.9%(0.4%)
・化粧品……+4.1%(4.6%)
・食料品……+0.9%(24.8%)
・サービス……+3.5%(1.0%)

※()は全体構成比


などとなっている。売上の4分の1ほどを占める主力の婦人服が前年比-2.3%と大幅な減少を見せ、専門店などとの競争が激化していることが分かる。また、従来婦人服同様に百貨店のお得意ジャンルだった美術品や宝飾品などの高級品も-2.7%という全体と比べて大きな減少幅を見せているが、月次データを見ると11月以降に落ち込み幅が大きいことから(例えば12月は前年同月比-6.5%という、全項目中最大の減少割合を示している)、くだんのサブプライムローン問題に端を発する証券市場の低迷で、富裕層の購入が減ったものと思われる(婦人服でも高級品部門は同様の理由があるのだろう)。

その一方、食料品は大きな上昇を見せ、項目別では売上高で婦人服を抜き第一位に浮上するなど躍進を見せている。これは「デパ地下」と呼ばれる、地下の食品売り場への注力が効果を発揮したものと思われる。

今後経済状態を反映する形で株価が低迷し、また消費者の購買力が落ち込めば、ただでさえ他業種店舗との競争が激しい中でメインターゲットのひとつとしている層の購入意欲が落ち込み、百貨店はさらに売上を落とす可能性が高い。百貨店ならではの独自商品、専門店などの他業種店舗ではなく百貨店に足を運ぶ価値があるだけの、オリジナル商品が求められることだろう。

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