重ねて合わせて飛び出す秘密の絵!? 不思議な「わりふ絵」を簡単に作れる技術を公開

2007年12月15日 12:00

わりふ絵イメージ【KDDI(9433)】などの研究機関である【KDDI研究所】は12月14日、二つの絵を重ね合わせると別の絵が浮かび出てくるという「わりふ絵」を簡単に作る技術を開発したと発表した(【発表リリース】)。現在【au oneラボ】においてその技術を用いた「2枚の絵による秘密絵のあぶり出し」が公開され、好きな写真やイラストで自由に「わりふ絵」を作ることができる。

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「わりふ」とは元々「割符」のことを指す。この「割符」とは、かつて一つの札(板)を二つに割ってそれぞれを別の人に手渡し、何か照合の必要がある時にそれを差し出して合致するか否かを試したもの。ニセモノの「割符」の場合は割った部分の断面がうまく合わさらないので、特定の資格や許可、人物を表すチェック用の道具として用いられた(特に商売の時に使われている)。時代劇でその姿を見たことがある人も多いだろう。

今回発表された「わりふ絵」も似たような考えのもので、2枚の絵を重ね合わせるだけで隠れていたヒミツの絵を浮かび上がらせるというもの。これまでも「わりふ絵」を作る技術はあったが、使うイラストや写真の特性に応じた手作業による補正作業が必要だったという。

新たに開発された今技術は「わりふ美」と呼ばれる「わりふ絵と秘密絵の画質自動調整技術」というもので、どのようなイラストや写真の組み合わせでも、瞬時にきれいなわりふ絵を作れるようになったという。具体的には、「わりふ絵と秘密絵の見栄え」と「他の写真やイラストの残像」の両者を自動分析することで、わりふ絵と秘密絵を同時に高画質化する技術。

「わりふ絵」と新技術「わりふ美」の概念
「わりふ絵」と新技術「わりふ美」の概念

「わりふ美」によって、見栄え(くっきり感)を良くし、残像が見えにくくなっているのが分かるだろう。

先に【オリジナルデザインカバーのチロルチョコ】で使ったデータをサンプルとして「わりふ絵」を作ってみた。

あらかじめ用意されている画像データ以外に、自分のデータをアップロードして絵を作ることもできる。
あらかじめ用意されている画像データ以外に、自分のデータをアップロードして絵を作ることもできる。
ぴったりあわせないと秘密絵は出てこない。
ぴったりあわせないと秘密絵は出てこない。
このように、見た目はほぼ同じの2枚別々の絵を重ね合わせると、まったく別の秘密絵が登場する「わりふ絵」を作ることも可能。
このように、見た目はほぼ同じの2枚別々の絵を重ね合わても、まったく別の秘密絵が登場する「わりふ絵」を作ることも可能。

中途半端な重ね方では何がなんだか分からないが、ぴったりあわせると秘密絵が出てくるのが分かるだろうか。

なおau oneラボではこの「わりふ絵」をウェブ上で試しに作るだけでなく、このデータを使って透明シートに画像を印刷し、実物の絵を重ね合わせることも推奨している。グラフィック上だけでなく、リアルの絵でも「わりふ絵」が実現できるというのだ。

モノクロ写真に限定されることもあり、用途を見出すのはなかなか難しいが、例えば誕生日のバースデーカードにこの「わりふ絵」を使ってサプライズを与えたり、「元絵のうち1枚を共通のものにした上、伝えたいメッセージによってもう1枚を変えることで不特定多数をカテゴリーに分ける」など、アイディア次第で面白い使い方ができるかもしれない。

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