【更新】「つまらない」「スターがいない」プロ野球を見なくなった理由

2007年12月04日 08:00

プロ野球イメージC-NEWSは12月3日、プロ野球の観戦に関するアンケート結果を発表した。それによるとプロ野球の視聴数が減ったと回答した人の理由としては「試合がつまらなくなったから」「スター選手が減ったから」などが上位を占めていることが明らかになった。「プロ野球離れ」「視聴率低下」が懸念されている昨今、プロ野球ファンには色々と考えさせられる調査結果になっている([発表ページ])。

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今調査は11月22日と23日、15歳以上のインターネットユーザーに対してネット経由で行なわれたもので、集計回答数は1000。男女比は1対1。年齢構成比は10・20・30・40代及び50歳以上がそれぞれ均等割。

プロ野球 不人気理由は 「本質」か?

■プロ野球離れが目立つ層
・30代以上男性
・女性(特に10代)

詳細データは公開されていないが、5年前と比べた視聴試合数は「減った」派が40.8%を占め、「増えた」派の14.0%を大きく上回っているという。特に30代以上男性層のプロ野球離れが顕著だそうな。「夏の暑い時期にビールと枝豆で一息つきながらプロ野球観戦」という、いかにもありがちなシチュエーションで主役となりうるこの層で、プロ野球離れが進んでいるのは、運営側としては懸念すべき状況といえる。また、視聴そのものをしていない人も31.2%おり、とりわけ女性は41.2%と男性の倍近い値を占めているという(10代女性にいたっては過半数の53.0%とのこと)。

気になる「5年前と比べて視聴する試合数が減った人に、その理由は」とたずねた結果は次の通り。

5年前と比べてプロ野球の試合をテレビで視聴する数が減った人、その理由は?
5年前と比べてプロ野球の試合をテレビで視聴する数が減った人、その理由は?

上位には「つまらなくなった」「スター選手が減った」などプロ野球そのものの魅力が減退したことや興味が薄れたことを起因とするものが多い。プロ野球人気の衰退が語られる際に、よく「プロサッカーやゴルフなど他のメジャープロスポーツが躍進しているから」「テレビそのものへの興味が薄れているから」という意見が挙げられる。調査結果を見る限り、それらの理由もプロ野球(のテレビ視聴)離れの原因の一つではあるが、むしろプロ野球そのものの本質に問題が生じている可能性が大きいことがうかがえる。

表組みには無いが、「プロ野球中継の代わりに視聴を増やした番組ジャンル」では「バラエティー」や「ドラマ」が上位を占めている。これらの番組はどうしても視聴したいという強い傾向がある、というよりは「見てみようかな」といった「何となく視聴してみる」層に属している。つまり少なからぬ層にとってプロ野球は、それら「何となく」番組よりもさらに魅力に欠けていることになる。

見ている人もその関心度は……

プロ野球中継を見ている人に、関心度がどれだけあるかをたずねたところ、「見ている」派ですらその関心度は高くないことが分かる。

プロ野球の試合に対する関心度(プロ野球中継を見る人対象)
プロ野球の試合に対する関心度(プロ野球中継を見る人対象)

プロ野球に一定以上の興味を持ち、最後まで、あるいは途中まででも見る人は、両方を合わせても過半数にも達しない。「試合結果やダイジェストだけ分かればよい」という、いわば「つまみ食い」派がほぼ同数を占めているのも驚き。つまり「プロ野球中継を見ている」人ですら、その半分は興味を持って見ているわけではない、あるいは本放送をしっかりとみているわけではないことが想像できる。このことからも「プロ野球離れ」の傾向が見て取れる。

プロ野球中継を見る人を対象にしているにも関わらず「興味がないので結果も知ろうと思わない」層が7%もいるのはどういうことか首を傾げてしまうが、これは恐らく食卓などで興味がなくとも半ば強制的に見せられていることを示しているのだろう。


プロスポーツの多様化や娯楽メディアの多様化(昔はテレビやラジオくらい、今はそれに加えてビデオにパソコン、CDにゲーム機、携帯電話などなど)で、趣味趣向が分散し、テレビによるプロ野球観戦を求める層自身が減っているのは仕方の無い話。

また趣向の傾向として先にも挙げた「つまみ食い」で表現されるように、「短時間で主要素をちょっと確認して別の興味あるものに目移りする」という、「短期決戦集中型」のライフスタイルが浸透する現状(要は目移りするものが多すぎるからなのだが……)では、2時間前後も視聴し続けなければならないプロ野球の観戦は、長すぎるのかもしれない。

しかしその一方、そのような周囲の環境の変化と共にプロ野球そのものの本質も「プロ野球離れ」を起こすような方向に変わってしまっていることも否定できない。プロ野球側としては、かつてプロ野球が盛況だったころにあって、今は無くしてしまったものを再確認すると共に、今のライフスタイルに合わせるにはどのような工夫をすれば良いのかをじっくり考える必要があるのではないだろうか。

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