ホンダのロボット「ASIMO」が自分で考え連係プレーも可能に

2007年12月12日 06:30

ASIMOイメージ[ホンダ(7267)]は12月11日、同社が開発している人型ロボット「ASIMO」が状況に応じて人に命令されなくとも作業を独自に、しかも分担しながら実行する技術(知能化技術)を進化開発させ、その機能を公開した。いわば「自律多'人'数協力作業」をロボットが行なえる技術で、ホンダ側ではサービス分野においての応用に注目している(【発表リリース】)。

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公開されたのは「ASIMO」の知能化技術の一環で、

・移動……人の動きに応じて一歩下がって道を譲る、そのまますれ違う
・作業……トレイを運搬したり、ワゴンを押すなど
・充電……バッテリー残量が少なくなると自動で充電する
・協調……複数のASIMOが状況に応じて作業を分担。さらに1体が充電中の場合は他のASIMOがサービスを提供する


などの技術が導入された。特に最後の「協調」では、単独の「ASIMO」がそれぞれの作業をこなすだけでなく、お互いをネットワークで連動して協調することで全体的な作業を止めることなく、連続的に働く総合的なシステムの稼動を果たせることになる(例えるなら食堂で給仕全員がお昼休みを取る事態には陥らないということ)。

連係プレーで給仕を行なうASIMO
連係プレーで給仕を行なうASIMO
人間の移動先を推測して道を譲るASIMO
人間の移動先を推測して道を譲るASIMO
バッテリー残存量が少なくなると自分で判断して充電するASIMO
バッテリー残存量が少なくなると自分で判断して充電するASIMO

ホンダではこの「ASIMO」による知能化技術の展開について、2体の「ASIMO」を用いた試験運用を「特定箇所の案内と飲み物の給仕」という作業において、同社青山本社の2階ロビーで実施する。

リリース上の写真や報道によれば、ロビーにやってきた来場客を「ASIMO」がテーブルまで案内したり、テーブルに座っているお客に飲み物を運んだり、さらには複数のテーブルで飲み物が注文された時には場所や作業状況を判断して最適な方法で行動するなど、「人間ならば無意識で行なう判断と行動」を実行するようだ。

ホンダ側ではこのロビーでの試験運用などもあわせ開発と実験を進め、2010年代には実用化を果たしたいとしている。

人をサポートする人型商用ロボットといえば、先日【トヨタ(7203)、家事や介護分野でのロボット展開を2010年代早期にも】でも報じたように[トヨタ自動車(7203)]が開発中のロボットを公開し、多くの人の注目を集めた。ホンダにしてもトヨタにしても、元々人間の移動や運搬をサポートする「自動車」の開発メーカーだからこそ、その延長上の一つにあるロボットに着目し、開発を進めているのだろう。また、バッテリーが残り少なくなると自分で判断して充電を行なう様子は、【自動床掃除機「ルンバ」の新型、米アマゾンに登場】で紹介した自動床掃除機を想像してしまう。

これらの自律的行動を行なうロボット(など)たちは、どこまで賢いプログラムを作れるかというソフトウェアの部分に大きな重点が置かれるのはいうまでもない。「ASIMO」の場合はバランスを崩さず人間と同じように「歩く」二脚自律走行そのものも驚くべきものだが、やはりソフト部分に今後の注目が集まることだろう。

※公式サイトでは動画で確認できます(【公式サイト】


(最終更新:2013/08/18)

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