「サブプライム暴落」で82%が「塩漬け」

2007年12月01日 12:00

株式イメージロイター通信は11月30日、個人投資家に対して11月に行った調査結果を発表した。それによると8月から片鱗を見せ始めたサブプライムローン問題に端を発する世界的な株式市場の不安定感の中で、多くの個人投資家が株式売買をひかえ、82%もの人が「保有株式を塩漬けにしている」と答えていることが明らかになった。現金化した18%の人もその多くが相場動向を様子見するとして、市場への再投資をちゅうちょしているようすがうかがえる(【発表ページ】)。

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今調査結果はロイターの個人投資家向けメールマガジンの購読者のうち722人から得た回答に基づくもの。11月19日から22日に行われたこの調査では、男女比は92対8で、年齢階層比は40代がもっとも多く26%、次いで30代が22%、50代と60代が共に20%などだった。

詳細は元記事を参照してほしいが、要点をいくつかまとめると、

・日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DIはマイナス48で、先月のマイナス22から大幅悪化、調査以来最低水準
・株価下落対応策は「塩漬け」が82%、「現金化」が18%。
・現金化した人にその現金の使い道を尋ねると「タイミングを見て日本株に再投資」は63%、「別の金融商品に投資」が27%、「そのまま預貯金」が11%
・冬のボーナスについては「現状維持で株式投資にもまわす」が50%、「今回は見送り」29%「これまでより減らす」10%「これまでより増やす」11%。
・今年大納会の日経平均株価予想は中央値が1万6000円。1万7000円代は7%に留まる。


などとなっている。特にDI値の値が非常に低く、株価の下落と市場の不安定さから、多くの個人投資家が投資判断に迷っている、あるいはきな臭さを感じていることが分かる。ただ、再投資を狙っている人の割合が多いことや、ボーナスの投入を検討している人が多数に及ぶことから、投資行動への気概は失っていない傾向にあるのは幸いなところ。

今調査では問われていないが、証券税制優遇措置の今後について各方面で論議が活発化している。決定内容次第では個人投資家の投資判断に大きな影響を与えることは間違いない。現在ただでさえ株価が安値展開を続け、市場が不安定化している時に、個人投資家の市場離れを引き起こすような決定がなされれば、現在「塩漬け」化され(売却されないことでさらなる株価の下落を留め)ている株式までも売却されてしまい、連鎖反応的な株価の下落を引き起こすことは容易に想像ができる。

サブプライムローン問題はまだまだ、恐らくは来年一杯までは尾を引きそうで、アメリカ市場、さらには日本市場への影響もそれくらいまでは生じそうな予兆がある。市場の低迷の中、健気に努力を続けている個人投資家の気概をそぐことのないよう、法体制を整備してほしいものだ。

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