【更新】がん情報さがしの10カ条

2007年12月23日 12:00

医療イメージ[日経新聞]は12月22日、国立がんセンターが配布した「がん情報さがしの10カ条」に関する記事を掲載した。がん患者や家族が、医療法や相談先を探す際の注意点などをシンプルにまとめたもので、関係者にとっては心の支えにもなる、頼もしい、役に立つ内容となっている。

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この「がん情報さがしの10カ条」は11月3日に国立がんセンターがん対策情報センターが開催した講演会【第2回市民向けがん情報講演会『がん情報のさがし方(2007)』】で配布されたもの。適切な医療を受けるため、最近よく使われるようになったインターネットによる情報収集だけではなく、何が必要で何が正しいのか、その見極めをしてほしい(要はがん情報においても「情報リテラシー」(情報を使いこなす能力)を身につけてほしい)とアドバイスしている。

具体的な10か条は次の通り。

1.情報が、療養を左右することがあります。活用しましょう。
2.あなたにとって、いま必要な情報は何か、考えてみましょう。
3.主治医とよく話してみましょう。
4.セカンドオピニオン(別の医師の意見を聞くこと)を活用しましょう。
5.医師以外の医療スタッフも活用しましょう。
6.がん拠点病院の相談支援センターなど、質問できる窓口を活用しましょう。
7.インターネットを活用しましょう。
8.手に入れた情報が本当に正しいのか考えてみましょう。
9.健康食品や補完代替医療の広告には注意しましょう
10.得られた情報を判断する前に、周囲の意見を聞きましょう。

【配布されたカードのPDF版はこちら(PDF)】


また、この10か条以外にも講演会に出演した講師たちはそれぞれの立場から、次のような注意を呼びかけたという。

・医師任せではなく自分が納得した治療を受けること。
・医師はすべての治療法に精通しているわけではない。自分の得意な治療法を薦めることもある。治療方針を決める前に聞くこと。
・インターネットでは都合のいいことばかり書いていたり、特定の療法や体験談だけを載せていたりするサイトがあり、疑ってみる必要がある。
・一人で判断せず、家族や主治医、看護師、薬剤師などの医療スタッフの意見を聞くことも、正しい情報にたどり着く道となる。


一昔前と比べたら、特にインターネットのおかげで医療関係の情報もオープンなものとなり、情報不足で患者や関係者が不安にさいなまれるということも少なくなった。しかし上記「がん情報さがしの10カ条」にもあるように、かえって情報が増えすぎたため、その情報たちにかき回されてしまい、正しい情報を得にくくなってしまっている場合もあるのも否定できない。

がん患者に限らずすべての病症において、「治せるものならどんな手を使ってでも」「自分が知らない有効な手段があるかもしれない」と、まさにわらをもつかむ気持ちで情報を探す気持ちは非常に良く分かる(何しろ(がんではないが)経験者なのだから)。しかし「情報洪水時代」の今だからこそ、情報リテラシーを身につけると共に、インターネットのみに振り回されることのないようにしたいものだ。さまざまな手段を用いて包括的な情報収集を行い、自分にとって、あるいは自分の愛する者にとってベストの手立てを探したいものである。

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