これは先の10月に【任天堂がWiiのネット接続強化のためNTT東・西日本と共同戦線】にもあるように「任天堂カンファレンス 2007秋」において任天堂が方針を明らかにしたもので、概要もほぼそのままの通り。要は「NTT東日本・西日本と共にサービス窓口を開設し、ネット接続希望者への案内をサポート。さらに来年の春からは新作ソフトのネット配信もスタートし、Wiiのネット接続率を現在の4割から2008年中に1割増しの5割に引き上げる計画」というもの。

今協業プロジェクトは両社(3社)にメリットがある。任天堂にはWiiの魅力を数倍化するインターネット接続へのハードルを低くし、ネット接続率を高めるのに大いに役立つことになる。NTT東・西日本には最近足踏み状態が続いているとされる光ファイバー接続の普及率を高める(【参照:日経ビジネスオンライン】)よいビジネスチャンスになる。

思惑もそのままずばりリリースに書かれている。いわく、

とのこと。知っている人には何てことのないインターネットへの接続だが、Wiiユーザーとその予備群の大多数を占める初心者層にとっては高いハードルとなっているのは事実。協業によるサービス展開で、より多くの人に手軽にWiiを使ってインターネットの世界を楽しんでもらおうというものだ。

協業の具体的内容は、ネット接続をサポートするサポートセンターの役割を果たす「Wii×フレッツ接続サポートセンター」ことコールセンターの開設と、接続や設定までをセットにした「簡単！便利！Wii接続おまかせパック」の展開となる。

後者の「接続おまかせパック」の詳細は【こちらになる】。各種条件で違いはあるものの、数千円から一万円以内でフレッツ光の工事やアクセスポイント設定、Wiiの設定などをひっくるめて提供しようというもの。条件によって細かい違いがあるので、詳しく知りたい人はリンク先で確認してほしい。

要は各企業にとって多少の手間や経費はかかるものの、このままでは顧客になりえない、しかし中長期的に見て新たに優良顧客となりうる層を取り込もうというもの。任天堂にとってはこれを機会に新規にWiiを購入しようとする人以外に、ネット接続によってさらに顧客のロイヤリティが上がることも期待できる。もちろんNTT東・西日本には新たな光サービス導入者を獲得できるチャンスとなる。

リリースにも指摘されているが、「Wiiでネット接続をしたいけど、自宅には接続するための回線・機器がない」「Wiiは使っているけど、ゲーム機そのものとしての利用はともかく、ネットへの接続が難しくて……」とWiiの機能を使いこなせていない人、さらには「Wiiではネットを使うと色々楽しめるようだけど接続は難しそう。だからWiiそのものの購入もキャンセル」という人も多いはず。今回の協業・サービス展開がそれらの人たちの手助けになるかどうか、3社の本気度に注目したいところだ。

(最終更新:2013/09/08)