株式取引では慎重姿勢が続く…野村證券(8604)、2007年10月計測分の個人投資家動向を発表

2007年11月05日 19:40

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は11月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2007年11月発表分、PDF】)。取引をひかえる動きは先月同様で、個人投資家の慎重な姿勢がうかがい知れる結果となった。

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今調査は1000件を対象に10月23日に行われたもので、男女比は65.7対34.3。年齢層は40歳代がもっとも多く31.7%、ついで30歳代が27.9%、50歳代が18.9%。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く25.1%、ついで200万円未満が19.8%、200万円~500万円が18.6%と続いている。

1銘柄あたりの保有期間は1年から2年未満がもっとも多く22.3%を占めている。次いで2年から5年未満が21.4%、5年以上が16.4%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く48.6%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が23.0%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わらない

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数はやや上昇。
・株式取引では慎重姿勢が続く。回復の遅れがうかがえる。
・国内政治動向より海外の政治経済動向への懸念が強まる。
・魅力的な業種は「資源関係」がトップ。二か月連続。
・証券税制優遇措置が廃止された場合、手持ち株式売却を検討するとの回答が6割、税制の延長や恒久化を求める回答が6割強。
・日本株式の出遅れの理由は「国内経済情勢」「海外からの影響を受けやすい市場」「国内政治情勢」


という形に。国内経済の活性化の遅れと共に、あるいはその一因となっている、サブプライム問題が国内の市場の足を引っ張っているという認識がますます強まっているようだ。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、先月から引き続きトップ・二位には変化がないものの、【ソニー(6758)】がトップ5から落ちて再び[ソフトバンク(9984)]がランクインしている。知名度の高さや値動きの良さが人気度を高めているのだろうか。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[任天堂(7974)]
3位……[ソフトバンク(9984)]
4位……【東京電力(9501)】
5位……【カゴメ(2811)】


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることであり、それだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。上位であろうと得票差にはさほど違いがなく、誤差の範囲で順位が変動する可能性はある。が、トップの[トヨタ自動車(7203)]は相変わらず株価自身が青天井であっても二位以下に倍以上の差をつけてその座を維持しており、「何はともかくまずトヨタ」という人が多いことがうかがえる。この傾向は先月同様ここ数か月変わるところがなく、同社の知名度・人気度の高さが分かる。当アンケートが比較的投資経験が長く、投資に関して重視する点で「安定した利益成長」を挙げている人が多いこともその理由の一つだろう。

8月の「サブプライムローン急落」からようやく東京市場は立ち直りを見せつつあるように見えたが、次から次へと関連する損失が明らかになり、大手金融関係企業のCEOが相次いで職を離れるなど、影響はとどまるところを知らない。今週・来週あたりで国内外関連大手企業の決算が出そろい、「アク抜けするのではないか」といった観測もあるが、油断は禁物。いつ破裂するか分らない(あるいはじわじわと浸透していくような)問題を抱えつつ、今年一杯は「薄氷の上を歩くような」市場展開が続くことだろう。

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