日テレとセブン、電通が新会社「日テレ7」で通販会社を設立・マルチメディア展開へ

2007年11月27日 08:00

【日本テレビ(9404)】【セブンアンドアイ・ホールディングス(3382)】[電通(4324)]は11月26日、「メディアと消費の融合」をテーマに、テレビ番組内で開発・放送した独自の商品を販売する運営会社「日テレ7(セブン)」を12月にも設立、来年4月からはショッピングポータルサイトを立ち上げて事業を開始することを発表した。セブンイレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、セブンアンドワイなども参加する予定(【発表リリース、PDF】)。

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新会社「日テレ7」の資本金は4億8000万円、発行か部数は9600株。株主構成は日本テレビが過半数の51%を取得し、セブンアンドアイ・ホールディングスが20%、電通が14%、セブンイレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂、セブンアンドワイがそれぞれ5%を持つ。社長には日テレグループホールディングスの副社長である山根義紘氏が就任する。

「日テレ7」の事業は「視聴者の満足度と消費者の満足度を同時に高めることができる番組コンテンツと 商品企画の開発」を旗印に、以下の3つを柱とする。

1.ショッピングポータル事業
・日本テレビで放送される番組と密接に連動するショッピングポータルサイトの立ち上げ
・参加企業各社を含む様々な企業のECサイトと連携

2.商品開発事業
・日本テレビの番組と連携したオリジナル商品を企画開発
・メーカー企業各社に共同開発の提案

3.広告・マーケティング事業
・多様なメディアを連携させた広告、マーケティング手法を開発して広告主企業に提供


リリースによれば新会社には「テレビ放送事業、流通小売事業、広告・マーケティング事業を行う各社のノウハウや資産」を集約・融合させ、「これまでにない番組視聴スタイルや商品購入スタイルを創造し、新たな販促&コミュニケーション市場を開拓」するとのこと。

リリースには具体像が述べられていないが、26日の発表時に行なわれた記者会見のようすを伝える各種報道によると、まずは深夜番組などで健康グッズや化粧品を企画開発し、同時にウェブサイト上でその商品情報を発信、さらに郵送での受け取り以外にセブンアンドアイグループの店舗においても販売するという。要は(表現は古いが)「テレビとネット、実店舗のマルチメディア展開」というところか。初年度売上は10億円を見込んでいる。

記者会見において日本テレビの久保伸太郎社長は「放送外収入を伸ばすのが(「日テレ7」の)中長期の課題。テレビ番組を軸にした新しいビジネスモデルとして大きく育てたい」と述べている。また、実商品を展開するセブンアンドアイの村田紀敏社長も「新しい販売チャンネルの開拓先につながる」と期待するところは大きい。またデータ統括や広報展開を取り仕切ることになる電通の杉山恒太郎上席常務執行役員は「テレビとネットの融合を一気に進め、新しい広告のモデルにしたい」と述べ、ネットと実店舗の融合による商品展開のモデルケースとして成功させたい意向を述べた。

テレビ放送と実店舗、そしてインターネット上の情報展開と商品販売はまさに(かつての)ライブドアが【フジテレビ(4676)】と、そして現在も交渉中だが[楽天(4755)]が【TBS(9401)】と手を組んで行なおうとしていることに他ならない(ライブドアはともかく楽天は今回の発表にかなり焦っていると思われる)。複数のメディアでたたみかけるように情報を提供して商品購買意欲を高める効果の高さは、他のサービスなどでも実証されており、上手に仕組みを作れば絶大な成果が期待できよう。

テレビの影響力や小売業の停滞が懸念されている中、双方の相互波及効果も狙える「日テレ7」がどのようなビジネスを展開していくのか、その具体的な中身に注目したいところだ。またリリースでは一切言及されていないが、深夜番組などの視聴者層と重なる部分が多い携帯電話利用者向けの、携帯電話とのつながりも気になるところではある。

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