「100ドルPCに『シム・シティ』を」EAが寄贈決定

2007年11月12日 06:30

『シム・シティ』イメージ米Electronic Artsは11月8日、都市開発シミュレーションゲーム『シム・シティ』のオリジナル版を、非営利団体OLPC(One Laptop per Child Foundation)が開発を推し進めている、発展途上国支援のために開発された「100ドルPC」に無料で移植提供することを発表した(【発表リリース】)。

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『シム・シティ』イメージ『シム・シティ』は1989年に初版が発表された、都市開発シミュレーションゲーム。プレイヤーは市長の立場から都市開発行政にたずさわり、税金や区画整理などの調整をしつつ都市を発展させていく。単に経営・建設シミュレーションとしてだけでなく、都市環境の整備問題や環境問題などが(シミュレーションであるがゆえに)盛り込まれており、教育的なゲームとしても評価を得ていた。今回、途上国向けの教育用パソコンに初期インストールされるのが決まったことで、『シム・シティ』の教育面での評価はさらに高まることになる。

一方「100ドルPC」は【あの100ドルノートPC、来年後半期に登場】にもあるように、「発展途上国の子どもたちに教育手段の一つとしてパソコンを提供する」目的で開発されたもの。「100ドルパソコン($100 laptop)」という名称が一人歩きしているが、実際には100ドル後半で初代機が提供される予定(量産化されれば100ドルに落ち着くとのこと)。OSにはLinuxが採用され、人力による電源供給装置も併用できるとのこと。故障のことを考え、ハードディスクは用いられず、フラッシュメモリーを搭載する。

リリースの中でEAの『シム』シリーズ担当副社長Steve Seabolt氏は教育用パソコンとして用いられる「100ドルPC」に『シム・シティ』が搭載されたことを、次のように誇らしげに説明している。

「『シム・シティ』は楽しく遊びながら学べるゲームです。プレイヤーは都市をつくる際に、資源には限りがあることを実体験できます。色々な選択ができ、その結果を知ることができます。プレイヤーの創造力によってのみ制限が課せられている、創造性豊かなツールなのです。
(SimCity is entertainment that’s unintentionally educational. Players learn to use limited resources to build and customize their cities. There are choices and consequences, but in the end, it’s a creativity tool that’s only limited by the player’s imagination)」


「100ドルPC」計画もコスト問題や供給国の諸事情で紆余曲折が続いたが、ようやく実働に向けて動き出したようだ。『シム・シティ』のようなゲームで都市問題を楽しみながら学び、教育に役立てる実績ができれば、ゲームそのものへの社会的地位向上にも一役買うことだろう。また、多くの人が都市問題そのものに関心を寄せるようになれば、思わぬ副産物となるに違いない。

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