【更新】10月度の外食産業の売り上げは前年同月比でプラス0.5%・客足、客単価の伸び率は誤差範囲内

2007年11月27日 08:00

外食産業イメージ日本フードサービス協会は11月26日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2007年10月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でプラス0.5%となり伸びはわずかに留まったことが明らかになった。前年と比べて休日が一日少なく、また台風到来も影響したようだ。さらに既存店が三か月ぶりにマイナスに転じたのも不調ぶりを表している([発表リリース])。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が154、店舗数は28485店舗(既存店はそれぞれ151、24297)。心なしか先月よりわずかに増加している。

全業態すべてを合わせた10月度売り上げ状況は、前年同月比で100.5%と前年同月を0.5%とわずかな伸びに留まる結果となった。業態別では堅調なファストフードの一部部門で1割近い伸びを示しているもののその他の伸び率は鈍く、ファミリーレストランも和食以外は前年同月比割れを起こしている。客単価は全体で0.1%とわずかだが前年同月比で上回ったのが幸いし、客数で前年同月比でマイナスを示している部門が多かったものの最終的な売上高における前年同月比プラスにつながった。

このように成績がいまひとつだったのは、文頭で概説したように昨年と比べて休みの日が一日少なかったこと、そして外食のニーズに大きな影響を及ぼす天候において、10月下旬の週末に台風が到来して客数を減らしてしまったことが要因。またリリースでは客数減少について「食の不祥事」「食品の値上げ報道」が心理的に影響しているのではと懸念しているが、これは来月以降「天候や休みの日数がほぼ同じ」状況で比較する必要がある。

ただしこのような悪条件の中においても、前年同月比で1割近い売り上げ増を果たしている部門もある。リリースでは「販促キャンペーンやパックメニューの投入などを実施した企業では売上を伸ばしており、消費者を刺激する施策・宣伝がポイントとなっている」と分析しているがまさにその通りで、いかに消費者に「その気」にさせるかという努力が、ファーストフードにはもとめられることだろう。

全店データ(既存店、新店合わせて)
全店データ(既存店、新店合わせて)

既存店のみで集計すると売上高は前年同月比で97.9%、客単価は100.4%。今月の売り上げ高がわずかに前年同月比で増加していたのは、新規展開店舗の飛躍によるところが大きいことがわかる。日取り上の問題とはいえ、売上・客数共にわずかに減っているのは寂しいところ。

焼き肉・中華の業績悪化続く
→焼き肉は外食スタイルの変化
ディナーレストランは健闘

キャンペーンなどで底上げに成功したファーストフードのめん類部門以外では、ディナーレストランの堅調ぶりが目立つ。客数・客単価・売上共にプラスの伸びを示しているのが頼もしい。もっともこの部門も既存店では客数の減少が目立ち、新規展開店が全体を引っ張ったのが分かる。

10月は天候や日のめぐりなど避けられないマイナス要因もあったが、最近の外食トレンド「中華や焼き肉などのファミレス」から「ファーストフード」という動きに変わりはないようだ。今データでは区分していないが、「ファーストフード」には店舗内で食べるタイプとテイクアウト(俗にいう「中食」向けの総菜屋)が含まれているため、「ファーストフード」の数字を底上げしているものと思われる。

冬になると外に出るのがおっくうになるのが人の悲しい「さが」というもの。外食のトレンドの一つである「中食」に、「外に出にくい」という自然環境がどのような影響を及ぼすのか。来月以降のデータ動向に注目したい。

ちなみに2006年10月時、つまり昨年における「前年同月比」は、売上・店舗数・利用客・客単価においてはそれぞれ102.2%、101.2%、101.8%、100.3%というデータがある。客単価以外は押し並べて伸び率が鈍化しているのが気になるところだ。


(最終更新:2013/08/18)

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