トルコとイラク、クルド人勢力への対抗で合意

2007年10月24日 06:30

時節イメージ【BBC NEWS】など各誌が伝えるところによるとイラクのジバリ外相は10月23日、バクダッドでトルコのババジャン外相と会談し、イラク北部に拠点を持つクルド人勢力(PKK・クルド労働者党)への締め付けを強化することで合意した。さらに今件についてイラク在留のアメリカ軍も協力を検討するという。

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PKKがイラク北部だけではなくトルコ南部でも行動を強めているため、トルコ国内ではマリキ首相に対する非難が高まっている。先日も国会内でPKKの脅威から国を守るため、イラク北部へ越境してPKKの拠点を攻撃するという決議を出したが、これに対しアメリカや周辺各国からは自制をうながす意見が相次いだ。これを受けてマリキ首相も越境攻撃を行なう前に外交上の交渉を行なって努力する方針を明らかにしていた。

トルコ側では「イラク北部への領土的野心はまったく無い。しかしPKKに対して軍事力を使う用意はいつでも出来ている。そして我々は待つことはできない。もし外交的手法がうまくいかなければ、軍事手段を用いねばならないだろう」と述べている。また「国境線は尊重する。イラクとの文化・経済面での関係を犠牲にしたいとは思わない。しかしPKKに対する軍事行動は別問題だ」「PKKがトルコとの休戦を模索しているかもしれないという話があるが、休戦は軍や国との間で可能である。PKKは交渉する対象ではない」とし、このような組織とは交渉のステージに立つつもりすらないという断固たる態度を表明している。

会談後の記者会見でジバリ外相は「PKKの脅威を防ぐため、イラク政府はPKKの活動を抑えるアクションについてトルコ政府と共同歩調をとる」とし、トルコとイラクが手を結んでPKKに対処することを述べている。

まずイラク側ではイラク国内におけるPKKの移動制限、金融取引制限を強化し、彼らのしめつけにかかる。イラク国内そのものがまだ十分に安定化していないことや、イラク北部ではクルド自治政府の影響力が強いことから実効性には疑問視されるところがある。が、一歩間違えればトルコとイラク間という国家間の軍事的対立や、それを口実にした周辺国の介入という、戦国時代や三国志、春秋戦国時代のような状況を呈しかねない可能性もあっただけに、今回の合意は世界からも高く評価されている。

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